『ザ・フラッシュ』ネタバレ感想レビュー!-マルチバースを1作品で完結させた今作は世界を変えることができたのか

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※この記事には『ザ・フラッシュ』や関連作品のネタバレが含まれています。苦手な方はご注意ください。

DCEU話題の新作ザ・フラッシュがついに公開!

今回はざっと『ザ・フラッシュ』に関しての感想レビューをしていきます!
※この記事には『ザ・フラッシュ』のネタバレが含まれています。苦手な方はご注意ください。

『ザ・フラッシュ』あらすじ

科学捜査官のバリー・アレン(エズラ・ミラー)ジャスティス・リーグフラッシュとしても活躍する生活を送っていた。

出勤前、アルフレッド(ジェレミー・アイアンズ)から連絡を受けたバリーは、バットマン(ベン・アフレック)の援軍としてゴッサムの崩れるビルから人々を救い出す。

バットマンも間一髪のところワンダーウーマン(ガル・ガドット)のサポートによって危機を切り抜け、ファルコーネの息子のウイルス散布の計画を食い止めた。

人助けをしたバリーは息つく暇もなく職場に向かったがすでに大遅刻。上司や同僚とうまくいかない日々がまたもや続くのだった。

職場を出るとそこには学生時代の友人アイリス・ウェスト(キアシー・クレモンズ)がいた。彼女は記者として働き、取材目的で警察署を訪れていたのだ。

バリーは母殺しの罪で投獄されている父の裁判を明日に控える中、想い人でもあるアイリスが、友人として訪ねてきたのか、それとも記者として訪ねてきたのかを彼女に問う。
どちらもと答えた彼女に対しバリーは冷たく「ノーコメント」と返した。

家に帰るとブルース・ウェインから手紙と共にデータが届いていた。それは父の冤罪を証明するための監視カメラ映像だった。しかしカメラの角度が悪くギリギリ父親の顔が確認できず、父のアリバイを証明するには不十分な証拠だった。

落胆するバリーは父に電話。父はすでに裁判での判決にも半ばあきらめている様子だった。

バリーの母ノラ・アレンは、彼女が買い忘れたトマト缶を買うために父が外出した直後に、強盗によって命を奪われてしまう。

母の絶命直前に帰宅した父ヘンリー・アレンは、事件の犯人として長年に渡って投獄されているのだ。

バリーは何もかもがうまくいかない現実に嫌気がさし、かつて家族と住んでいた家を見てなにかを決心、闇雲に光速を超えるスピードで走り出す。

すると思わぬ形でスピードフォースに介入。自分が思いのままに時間をさかのぼることが出来る事に気づくのだった。

彼はブルース・ウェインに過去に戻って母を救う計画のことを相談するも、ブルースはバタフライ効果の危険性をバリーに説き、「過去の経験から今の自分がある。」と反対の様子だった。

悩むバリーを訪ねたアイリスは、警察署での出来事について、友人として謝罪しに来た。

彼女との会話の中でバリーは、トマト缶を母が買い忘れなければ父が家を空ける事もなく、母が死ぬこともないと気づき、小さなトマト缶1つでは世界に大きな影響を与えないまま過去を変えることができるのではないかと考えつくのだった。そしてバリーはその考え実行し、過去に遡り、トマト缶を母の買い物かごに入れたのだった。

現代へ帰る途中、突如現れた謎の存在ダーク・フラッシュに襲われ、スピードフォースから追い出されてしまう。

気づくとバリーは、自分が18歳の頃に飛ばされていることに気づき、さらには幼い頃に殺害された母が、父と共に平穏に暮らしていたのだ。

再会に涙し、両親とともに食事をするバリー。しかしそこに現れたのは能力を得る前の18歳のバリーだった。その世界のバリーはアイリスとデートにまでこぎつけ、ルームメイトと共に過ごし青春を満喫していた。

2人のバリーがいることが両親にバレることを危惧しバリーは、18歳のバリーに自分が未来から来たこと、スピードスターとしての能力があることを打ち明ける。
さらにはその能力は今日起きる雷に打たれ手に入ることに気づく。

過去のバリーが能力を手に入れないと、自分の能力も消えてしまうと考えたバリーは、18歳のバリーを連れ自分が雷に打たれた警察署へと向かう。

警察署で自分が雷に打たれる場所に18歳のバリーを座らせたが、自分が逃げる前に落雷を2人で受けてしまった。
18歳のバリーは思惑通りに能力を手に入れたのだが、代わりに未来のバリーは能力を失ってしまった

突然の出来事に戸惑うバリーではあったが、18歳のバリーを鍛えてヒーローにすることを決意する。

しかし突如として宇宙から飛来物が確認された世界中がどよめく。それはバリーがいた世界よりも早く、クリプトン星からゾッド将軍(マイケル・シャノン)たちが襲撃してきた合図だった。
ゾッド将軍とまともに立ち向かえるのはスーパーマンだけだと考えたバリーは彼を探すことに。

ジャスティス・リーグのメンバーを頼りたいバリーではあったが、バリーが過去を変えてしまったせいでアクアマンもサイボーグもワンダーウーマン存在しない世界となってしまっていた。

しかし唯一存在していたのが、バットマンだった。

ブルース・ウェインの邸宅を訪れるバリーたち。家の中で捜索していたところ、長髪の老人から襲撃を受ける。
その老人はなんと、引退生活を送るブルース・ウェイン(マイケル・キートン)だった。

ブルースは、バリーがある一点の事実を変えてしまった結果、未来だけでなく、過去も変える事となってしまったと説明する。バリーは助けを求めるも、ブルースの答えは「ノー」だった。

ブルースの力が借りられないならと二人はバットケイブに潜入する。バットマンのPCを使いスーパーマンの検索を始める。

そんなバリーの行動をみたブルースは、初めこそ非協力的だったが、世界を救うためににもう一度バットマンとして立ち上がることを決意するのだった。

バットマンの調査で数十年前に宇宙から飛来したスーパーマンが、ロシアに投獄されていることを知り、バリーたちはロシアへ向かう。

ロシア人たちとの激しい戦闘の末、独房から救い出したのはカル=エルではなく見知らぬ女性だった。
彼女はロシア人に閉じ込めらたことで、弱々しく痩せ細っていた。バリーは彼女がスーパーマンではないことに驚きつつも、放っておくことはできずに救い出し太陽の下へと連れ出す。

太陽の光を浴びた彼女はクリプトン人としての力を取り戻し、バリーたちに強力してロシアからの脱出に力を貸すのだった。

彼女はカーラ・ゾー=エル(サッシャ・カジェ)、スーパーマンになるはずだったカル=エルのいとこだった。
カル=エルを追って来たにも関わらず、結果的には彼に出会えずに、理不尽に地球で投獄され拷問を受けていたことに恨みを持つ彼女は、地球人のためにゾッド将軍と戦うことを拒否する。

彼女は一人飛び立ちゾッド将軍と地球人の取引現場に向かうが、そこでゾッド将軍が地球人を虐殺する現場を目撃する。

一方バリーは、再びフラッシュの力を取り戻すため、バットケイブで落雷を再現しようとしていた。

ブルースと18歳のバリーと強力して、当時の状況を再現するために薬品を用意し、落雷を受けるバリー。しかし能力を取り戻すことは出来ずに、落雷によって瀕死の重傷を負ってしまう。

落雷装置も一度の衝撃で破壊され、今にも絶命しそうなバリーのもとに、カーラ(asスーパーガール)が再び姿を現し、バリーが能力を取り戻すことに協力をする。

スーパーガールがバリーを抱えて雷雲の中に入り、直接雷をウケることで、バリーは見事に力を取り戻した。

そして二人のフラッシュ、バットマン、スーパーガールの4人で皆で力を合わせ、地球を救うためにゾッド将軍に立ち向かうのだった。

ゾッド将軍との激しい戦闘のさなか、バットマンは敵艦隊の母艦を落とそうと特攻をするも失敗。さらにスーパーガールはカル=エルがゾッド将軍に殺されたことを知り逆上し、ゾッドに立ち向かうも返り討ちにされ殺されてしまう。

2人の死を目撃した18歳のバリーは現実が受け入れられず、未来のバリーが行ったように過去に戻り彼女たちを救おうとする。

違う状況を作り出しても、また別の現実が出来て何度も命を落としてしまうバットマンとスーパーガール。18際のバリーも度重なるタイムループの戦いによって重傷を負っていく。

バットマンとスーパーガールの死は、何度過去を変えても避けることが出来ない不変の未来だったのだ。

未来のバリーはやめるようにと止めるが、彼は納得できず、何度も過去を変えようとしたことで、ついには世界が崩壊し始め、他のマルチバースまでもが融合を始めてしまう。

異なる世界の、異なる容姿のバットマンやスーパーマン、スーパーガール、フラッシュたちが現れ、なかにには、1998年に映画化が頓挫してしまったニコラス・ケイジのスーパーマンの姿もあった。

未来のバリーはこの崩壊を止めるため、全ての元凶である、母を救ったことを無かったことにしようするも、そこに現れたのはあのダーク・フラッシュだった。
ダークフラッシュの正体は、何度も何度も過去を変えようと飛び続けた18歳のバリーだったのだ。

自分が力を得るために未来のバリーを18歳の自分に会わせ、彼に能力を持たせるように仕向けたのは、狂気に陥った未来の18歳のバリーだった。

未来のフラッシュこそがターニングポイントだとして殺害しようとするダーク・フラッシュだったが、間一髪のところで18歳のバリーが盾となる。

自分で自分を殺してしまったダーク・フラッシュは、存在そのものが消えてしまうのだった。未来のバリーは間違いを正すため、母を救った事をなくすため、トマト缶を再び戻そうとする。

そこで出会った母と幾ばくかの会話を交わし、母との最期の別れを告げたバリーは、トマト缶を商品棚に戻すのだった。しかしそこに合った監視カメラに気づいたバリーは、トマト缶を少しずらした位置において未来へ戻った。

自分がいた現実と同じ世界に戻ってきたバリーは、予定通り父の裁判を傍聴するが、自分が少しずらしたトマト缶のおかげで、監視カメラに父の顔がバッチリ写っていたため、念願の父の無罪を勝ち取ることが出来たのだ。

バリーは監視カメラの解析をしてくれたブルースにお礼の電話をかけたところ、ちょうど目の前にブルースの車が到着。しかし車から降りたのはバリーの知るブルース(ベン・アフレック)ではなく、別の顔をしたブルース・ウェイン(ジョージ・クルーニー)だった。

エンドクレジット後にはアクアマン(ジェイソン・モモア)が登場。私たちが知っているアクアマンよりもどうやら更に酒好きのどうにも頼りない姿だったが、バリーは元のアクアマンだ、と自分に言い聞かせていた。

『ザ・フラッシュ』の良かった点:オリジン×マルチバース×カメオをまとめ上げた超娯楽作!

▽エズラ版フラッシュはここから始まった!時間を遡ることで明らかになった彼のオリジン!

ジャスティス・リーグでは若手ヒーローとして活躍していたフラッシュ。スナイダーカットで活躍のシーンは増えたものの、彼が力を得た過程やヒーローを志す理由は明らかにされていなかった。

初の単独作でありながら多数の魅力的なキャラクターが登場する特殊な作品になっていた今作だが、しっかりとフラッシュのオリジンについて語られていたのは非常に見ごたえがあった。

▽ある一点を変えると過去も未来も変わっちゃう!少し特殊な世界線の話をうまく1作品でまとめ上げたストーリー展開!

今作で語られる世界線は、過去の一点を変えることでそのさらに過去や未来がその点を中心に分岐し大きく変わってしまうという世界観だった。

マーベル作品である『アベンジャーズ/エンドゲーム』が完全に省略した時間超越による世界線の移動やマルチバースの概念に2時間半という1作品の中で誠実に向き合ったのが今作と言えるだろう。

どこまで世界線の複雑さが理解できるかによってダーク・フラッシュの邪悪さ、悲しさへの理解が左右されてしまうところがあるが、これは昨今増え続けるマルチバースを取り扱った作品の中でかなり出来のいい作品の1つとなったに違いない。

『ザ・フラッシュ』の気になった点:いいカメオと悪いカメオ、そしてCG味満載な『スピード』『スピードフォース』の映像表現

▽それでいいのか…?カメオ出演

実写映画の世界では、という話にはなってしまうが、先にマルチバースを超えた同キャラクターの共演を実現させたのは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』だ。

その後発として、マルチバースを飛び交うことができるフラッシュの単独作、キートンバットマンの再演ということもあり更なるカメオやサプライズが期待されていた今作だったが、ガルやジョージ・クルーニーなどのいいサプライズがある反面、マルチバースの衝突時に登場した過去のバットマンやスーパーマンたちはすべてCG、サプライズとは言い難い演出となっていた。

▽CGサプライズの為?少し変わったスピードフォース演出

ザック・スナイダー監督が表現したフラッシュの映像は非常に美しいものだった。

スピードの中にしなやかさがあり、青い稲妻による力強さもあった。そこに存在するルールは私たちが遠く及ばない世界で、そこを駆け巡るバリーはとてもかっこよかった。

しかし今作のバリーが走るシーンには映像表現的な魅力があまり感じられなかった。スピードを生かした救助シーンもまるでCG初期のカートゥーンアニメを見ているような気持ちにさせられた。

そしてその上で見せられたスピードフォースで過去の出来事が円形になって迫ってくる演出。のちに登場するカメオ出演がCGでも違和感がないように演出された仕込み、客演の安っぽさを隠す為の稚拙な表現、という風に感じてしまった。

『ザ・フラッシュ』世界を変えられたかは分からないが、アメコミ映画好きに向けられた最高の娯楽作には間違いない!

映像表現には少し気になる節があったものの、ストーリー、戦闘、人気キャラの復活、客演、すべてのシーンはこれまでアメコミ映画を愛してきたファンに向けられたアツい演出のオンパレードである。

特に過去作のキャラクターが多数復活する様子は、先の短いDCEUが魅せる最後の演出にも思えた。過去のDC作品を愛していれば愛しているだけ、この作品は楽しむことが出来るだろう。筆者はもう一回、いや二回は劇場で鑑賞したいと思う。

さくし

さくし

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