幻のジョー・カーナハン版『デアデビル』は三部作の構想だった ー 時間が足りずに頓挫

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マーベルの人気ヒーローであるデアデビルは、2003年にベン・アフレック主演の映画『デアデビル』が製作され、その後ジェニファー・ガーナー主演によるスピンオフ映画『エレクトラ』が公開されたが、残念ながら商業的にも批評的にも大きな支持を集めるには至らなかった。

その後、デアデビルの映像化権はマーベルに戻り、Netflixとの共同制作という形で配信されたチャーリー・コックス主演のドラマ『デアデビル』は高い評価を受けた。

現在はマーベル・スタジオ単独で製作を進めるドラマ『デアデビル:ボーン・アゲイン』のシーズン2が撮影中である。

こうした変遷を経てきた実写版デアデビルだが、実はマーベルに権利が戻る前に『特攻野郎Aチーム』のジョー・カーナハン監督による“幻のデアデビル映画”の企画が存在していた。

CBRのインタビューにて、ジョー・カーナハン監督は当時を振り返り、三部作構想を持っていたことを明かしている。

”面白いんだけど、俺の『デアデビル』は三部作になる予定だったんだ。『デアデビル ’73』はクラシック・ロック、『デアデビル ’79』はパンク・ロック、そして『デアデビル ’85』はニュー・ウェーブ。これが俺のやりたかった映画だよ。”

過去の時代設定を舞台に、音楽ジャンルに応じた作品トーンで構成されるユニークな構想であったという。

ただし詳細な内容は不明で、どこまで企画が進んでいたのかは明らかになっていない。

この企画が頓挫した理由には、製作のための時間的な猶予がなかったことが挙げられる。当時の20世紀FOXとマーベルの契約では、一定期間内に作品が製作されなかった場合、キャラクターの権利がマーベルへ返還されると定められていた。

マーベル・スタジオ代表のケヴィン・ファイギ氏は、当時FOXが保有していたギャラクタスおよびシルバー・サーファーの権利を返還する代わりに、デアデビルの権利を維持する提案をしたが、FOX側はこれを拒否している(現在ではどのキャラクターともにマーベルに実質的に戻っている)。

そのため、ジョー・カーナハン監督による『デアデビル』は権利を失わないための施策でもあったが、最終的には実現することはなかった。

カーナハン監督は現在でも『デアデビル』の製作に強い関心を示しており、興味のあるジャンルであると語っている。また、ドラマ版を視聴したかについて問われると、正直な理由を交えつつ「観ていない」と明かしている。

”なかなか観る気にはなれないんだ。やっぱりあれが実現できなかったことで、心が折れたんだと思う。チャーリー・コックスが素晴らしいのは知ってるし、俺の友人のダリオ・スカルダパンがショーランナーを務めてるのも知ってる。ジョン・バーンサルのことも大好きだよ。観てないことにもっとマシな理由を言えればいいんだけど、正直、それが理由なんだ。”

デアデビルは現在、映画ではなくテレビシリーズとして活躍し、多くのファンから支持されている。

将来的に映画への再登場の可能性も考えられるが、マーベル・スタジオの現時点での方針では、その実現は当面先になると見られている。

ドラマ『デアデビル』および『デアデビル:ボーン・アゲイン』は、Disney+ (ディズニープラス)にて配信中である。

ゆとぴ

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