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『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のスピンオフドラマ『キャシアン・アンドー』は、前評判を大きく覆し、多くのスター・ウォーズファンを魅了した作品となり、シーズン2で有終の美を飾ることとなった。
一方で、作品自体の評価は高いものの、『ローグ・ワン』が公開されてから10年近くが経過していることや、アンドーというキャラクターの知名度、ジェダイや有名キャラクターが登場しない点などから、幅広い層に受け入れられた作品とは言い難い側面もあった。
ATXテレビのイベントに登壇した本作のショーランナーであるトニー・ギルロイ氏は、本作にシーズン1・2を合わせて6億5000万ドルの資金が投資されていたことを明かし、シーズン2の制作時にはディズニー社から資金面でかなり釘を刺されていたことを示唆した。
この6億5000万ドルという金額は、Amazonプライムビデオの『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』の約4億6500万ドルや、『ストレンジャー・シングス』シーズン4の約3億ドルを越えている。映画では『アベンジャーズ/エンドゲーム』は3億5600万ドル、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2億7,500万ドルで、『アンドー』は全24話で実に大作映画2本分の制作費を消化していることになる。
ギルロイ氏は、作品づくりにおいてかなりの自由を与えられていたと語っているが、シーズン1からシーズン2の間にディズニー社のストリーミング配信作品への姿勢が変化し、多くのドラマを乱発する方針から転換することとなった。
この傾向はディズニー社やルーカスフィルムに限らず、傘下のマーベル・スタジオでも見られ、Disney+(ディズニープラス)の会員数を増やす目的で多数のオリジナルコンテンツを制作したものの、作品の質のばらつきやコンテンツの飽和などにより、期待した効果を上げることができていなかった。
むしろ損失が出ているとも言われており、ディズニー社は今後、ドラマや映画などの作品制作における質のハードルを上げていく方針へと切り替えている。
『アンドー』は作品としてのクオリティは高かったものの、収益面では苦戦を強いられていたと考えられ、ディズニーとしてもシーズン2での完結は当初から予定されていたとも言えるだろう。
ギルロイ氏のコメントからも、当時のディズニー社が財政的に厳しい状況にあったことがうかがえる。
現在では『スター・ウォーズ』のドラマ作品は、かつてのような乱発状態ではなくなっているが、数を絞りながらも質を重視したドラマが制作されることに、今後も期待しておきたいところだ。

ちなみにストリーミング作品としてはかなりの予算規模とのこと

映画情報サイト「Ginema-nuts(ギネマナッツ)」の編集部です。
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