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マーベルを傘下に持つウォールト・ディズニー社は現在、世界中で人気となったマーベルキャラクターたちの権利を全て一つにまとめようとしている。
しかしディズニーよりも前に、ソニーにはそのチャンスがありました。
『スパイダーマンだけ取ってこい』
アメリカの情報誌ウォールストリートジャーナルは、1998年に実はソニーにもマーベルキャラクターを全て掌握できるチャンスがあったことを報じました。
・The ‘Black Panther’ Movie Deal That Didn’t Get Made
遡ること20年前、マーベルは倒産の危機に瀕しており、立て直しの一環として自身の持つキャラクターたちの映画化権などを他社へ売却する政策をとりました。
「X-MEN」は20世紀FOXへ、「ハルク」はユニバーサル・ピクチャーズ、「ファンタスティック・フォー」はコンスタンティンフィルム(のちにFOXと共有)へと渡りました。
その中でも人気の高かったスパイダーマンは、日本企業のソニー・ピクチャーズの手に渡ったのはファンの間では有名かもしれませんね。
実はソニーは98年の交渉の際、マーベルの全キャラクターの権利を手中に収める可能性を無駄にしていました。
倒産寸前だったマーベル社のアイザック・パルムッター氏は、ソニーのヤイール・ランダウ氏と交渉を行った際、アイアンマンや、ソー、アントマン、そしてブラックパンサーなど複数のマーベルキャラの権利を2500万ドルで売却したいという提案をしました。
ヤイール・ランダウ氏はその話を彼の上司に相談すると、すぐに
と戻されたそうです。
結局のところ、ソニーはスパイダーマンの権利を1000万ドルで買収することとなりました。その中には映画の興行収入の5%と、関連グッズの売り上げの半分をマーベルに計上するというのも含まれていました。
当時のマーベルはなんとか倒産の危機を免れることができましたが、ビジネスパートナーで実業家のアヴィ・アラッド氏はこの取引を「哀れだ」と評価し、必ずしもマーベルと同じ気持ちではなかったようです。
ソニー版MCUシリーズがあったかもしれない。
この後の話は皆さんご存知の通り。スパイダーマンの権利は依然としてソニーが所有することとなっています。
ソニーは2002年にサム・ライミ監督を迎え、映画『スパイダーマン』を製作。見事に大ヒットを記録しました。その後もスパイダーマントリロジーと呼ばれるスパイダーマンは3作品作られ、2012年からはマーク・ウェブ監督による『アメイジング・スパイダーマン』が2作品製作されました。
しかし『アメイジングスパイダーマン』の不振から、ソニーはマーベル・スタジオと共同製作することを決め、2017年には『スパイダーマン:ホームカミング』が製作され再び大ヒットを記録することとなりました。そしてそのおかげでスパイダーマンは同じマーベルのキャラクターたちとも世界観を共有でき、今年公開する『アベンジャーズ インフィニティウォー』でついにアベンジャーズのメンバーとして登場します。
もしソニー側の人間ならば98年の提案を断らなかったら、今頃”ソニー版MCUシリーズ”が製作されていたかもしれないと考えたでしょう。
その「IF」のストーリーが成功するかどうかは誰にもわかりませんが。
次にスパイダーマンが登場する『アベンジャーズ インフィニティウォー』は4月27日に、ソニー・ピクチャーズ『ヴェノム』は12月に日本公開です。
「Ginema-nuts」「トイハコ」の管理人です。アメコミ、特撮が主食の大きなお友達の一人です。
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