ヴェノム作者、映画で変えたい部分について明かす ー 「ヴェノムはいい奴じゃない」

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ソニー・ピクチャーズのソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)シリーズの第1作目として公開された『ヴェノム』

当初、映画批評家からの評価は芳しくなかったものの、結果的に世界的な大ヒットを記録した。制作費は1億6000万ドルだったが、最終的に全世界で8億5600万ドルの興行収入を達成。さらに、Blu-ray&DVDの売上は7070万ドルに上ったとされている。

続編『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』や『ヴェノム:ザ・ラスト・ダンス』は、1作目ほどの成功には至らなかったものの、SSUシリーズとしては十分なヒット作となった。

現在ではマーベル屈指の人気キャラクターとなったヴェノムだが、その生みの親のひとりであるトッド・マクファーレン氏は、海外メディアのインタビューで自身のヴェノムに対する考えを明かしている。

”僕はどの映画にも関与していないし、正直あまり気にしていないよ。ルールがあるのは理解しているからね。彼らは彼らのやり方で映画を作り、それは成功したんだろう?トム・ハーディは素晴らしい仕事をしたよ。実は1ヶ月くらい前に初めて彼と会ったんだ。
もし「君が監督や脚本を担当していたら、あの映画と同じように作ったか?」と聞かれたら、もちろんそんなことはしないね。ヴェノムを共同創造し、特にあのビジュアルを手掛けた人間として、僕の中でヴェノムは“いい奴”じゃないんだ。僕がマーベルを去った後、ヴェノムは徐々に良いキャラのようになった。でも僕にとって彼は常に悪役であり続けた。いつの間にか「ヴェノムはいい奴」という話になっていて、「え?何の話をしてるんだ?」と思ったよ。だから、僕の感覚ではヴェノムは常にダークでシリアスなキャラなんだ。”

特に、ヴェノムのビジュアルをデザインしたトッド・マクファーレン氏にとっては、彼を完全な悪役として創り上げたことに間違いはなく、その後のコミックや映画ではそのままの見た目で、アンチヒーローや善良なキャラクターとして描かれることには、やはり違和感を覚えていたようだ。

そのため、もし彼自身が映画を制作することになったら、確実に「R指定」になるともコメントしている。

”もし僕が映画を作るなら、『ヴェノム』は間違いなくR指定になっていただろう。もし「トッド、君に任せる」と言われたら、そうしていたよ。でも誰も僕に聞かなかったから、仕方ないことだ。
彼らはきっとヴェノムをより親しみやすいキャラクターにしたかったんだろう。ビジネスとして、幅広い観客にアピールしたいのは理解できる。”

ヴェノムのビジュアルは誕生以来、基本的なベースの部分に大きな変更はなく、媒体によっては非常に凶悪なデザインとして描かれることもある。それでも、完全なヴィランとして扱われないことが多く、見た目とキャラクター性のギャップに違和感を覚える人も少なくないだろう。

そうした観点から考えると、サム・ライミ監督が制作した映画『スパイダーマン3』のヴェノムは、マクファーレン氏のイメージに近かった可能性もある。

単独映画版では序盤こそヴェノムの凶悪な存在感が示唆されていたものの、物語が進むにつれ、エディ・ブロックと相棒のような関係になり、親しみやすいキャラクターとして描かれた。
これがあったからこそ映画がヒットし、3作目まで制作されたことを考えると、どちらが正解かを判断するのは難しいところだ。

現時点で、映画版ヴェノムの今後の活躍について公式な情報はない。SSUシリーズが事実上終了してしまったことを考えると、続編の制作は容易ではないだろう。

情報によれば、現在ソニーがマーベル・スタジオと共同制作している『スパイダーマン4』にヴェノムが登場する可能性があるとされているが、まだ確定した情報は入っていない。

果たして、将来的に完全なヴィランとしてのヴェノムが再び描かれることはあるのだろうか?今後の展開に注目したい。

ゆとぴ

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