パラマウント、ワーナー買収に向けた修正提案を公開 ー 中東由来の資金の不安も払拭か

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パラマウントが、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の買収に向けた提案を修正し、資金面の不安を抑える材料を追加した。

プレスリリースによれば、パラマウントはWBD株を1株30ドルの現金で買い取る姿勢を維持したまま、資金調達の透明性を示すための要素を盛り込んだ修正案を提示している。

今回の焦点は、これまで指摘されてきたパラマウントの「資金の出どころ」や「本当に払えるのか」という疑念を、できるだけ具体策で潰しにきている点だ。

特に注目されたのが、資金面を支えるとされるラリー・エリソン氏(オラクル共同創業者)による、約404億ドル規模の「撤回不能な個人保証」である。従来は中東系ファンドによる資金調達が不安視されていたが、個人保証を前面に出すことで、買収資金の透明性を高めたと説明されている。

さらに、買収が規制当局の判断などで成立しなかった場合に支払う違約金(リバース・ターミネーション・フィー)も引き上げられ、Netflix側の提案と同水準の58億ドルに合わせたと報じられている。

ただし、今回の修正が「不安を完全に消した」と言い切れる段階ではないようだ。報道では、パラマウント側の資金調達に依然として中東系ファンドの関与が残る可能性も示唆されており、この点については過去にNetflixよりも買収額が上だったにも関わらず、WBD側が難色を示した理由の1つとして挙げられている。

パラマウントの修正提案で報じられている主な変更点は次のとおりである。

・1株30ドルの現金買付けという条件自体は維持
・撤回不能な個人保証として、ラリー・エリソン氏が約404億ドル規模の株主資本の資金手当てを保証
・エリソン・ファミリー・トラストを取引期間中に撤回しないこと、資産移転を不利に行わないことを明確化
・トラストが保有するオラクル普通株(約11.6億株)などの記録や、主要な負債情報の開示を提示
・規制当局の判断などで成立しない場合の違約金を58億ドルへ引き上げ
・条件として、WBDがグローバル・ネットワーク事業を100%保有し続けることを明記
・株主向け公開買付け期限を2026年1月21日まで延長

上記でも記したように、パラマウントはNetflixとは異なり、ニュース部門やケーブル事業も含めた買収を提案しているという。

ハリウッド業界全体の構造に波及し得るワーナー買収騒動が最終的にどのような決着を見せるのか注目しておこう。

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ゆとぴ

ギネマナッツ編集部

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