ホアキン版ジョーカーはなぜ犯罪王子になれない? ー 監督が回答

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DCコミックスのバットマンのヴィランとして有名なジョーカー。そんな彼のオリジンを描いた映画『ジョーカー』は2019年に大ヒットを記録し、一度きりの映画のはずだった今作は2024年に続編『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の公開を予定している。

ピエロのメイクをして犯罪を犯すジョーカーは、ゴッサム・シティにおいてもある種の崇拝をされている存在となっておりが、メガホンをとるトッド・フィリップス監督は、アーサー・フレックのジョーカーがなぜ犯罪王子になりきれないかを海外メディアにコメントしている。

”我々は彼を犯罪界の犯罪王子にすることは決してないだろう。なぜなら、アーサーは明らかに犯罪の天才ではないからだ。彼は決してそんな人間ではなかった”

バットマンの宿敵であるジョーカーは頭が切れ、快楽のために様々な犯罪に手を染めながら、バットマンやゴッサム・シティを翻弄してきた有名ヴィランだ。

歴代の映画に登場したジョーカーについても同じような振る舞いをすることがあり、ある種のカリスマ性を持っていた。

しかしアーサーのジョーカーについては頭が切れるような描写はなく、彼の人生を振り返ってもそういったことに手を染めてきたような経歴はないように思える。そのためバットマンの宿敵として天才的な犯罪センスは監督の言う通りに無いのだろう。

一方で映画のテーマとしても頭の切れるジョーカーを描くことは少々ずれているようにも感じる。

前作『ジョーカー』は抑圧され虐げられてきた貧困層や社会的弱者、そしてそこからの反発によっていわゆる”無敵の人”を生み出してしまったことから、ゴッサムシティは犯罪都市へと堕ちていってしまった。

その巻き添えでブルース・ウェインの両親も殺害されるなど、ここから始まる暗黒時代のようなものも感じさせた。

そのきっかけになったアーサーの行動はあくまで偶然の産物であり、彼としても無意識のものだ。しかし理由はどうあれ多くの人々を熱狂させて混沌に落とし入れている様は、これもまたジョーカーであると言えるだろう。

『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は精神病院に入れられたアーサー・フレックと、そこで出会ったレディ・ガガ演じるハーレイ・クインの狂人二人の姿を描いている。アカデミー賞も受賞した映画が、次にどのような物語を続けていくのか注目をしておこう。

『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は2024年10月11日に日本公開予定だ。

ゆとぴ

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