本サイトのコンテンツには、広告リンクが含まれています。
DCスタジオが展開するシェアード・ユニバース「DCU」は、映画・ドラマ・アニメがすべて同一の世界観で展開されることを最大の特徴としている。
現時点で正史として物語が繋がっているのは、映画『スーパーマン』、アニメ『クリーチャー・コマンドーズ』、そしてドラマ『ピースメイカー』シーズン2だ。これらは物語の舞台が直接リンクしており、登場キャラクターの出来事が互いに影響し合う形でユニバースを広げている。
一方で『スーパーマン』関連作品として、映画の前日譚を描いた小説『スーパーマン:ウェルカム・トゥ・メトロポリス』や、スーパーマンの愛犬クリプトを主人公にした短編アニメも制作されている。しかしながらDCスタジオ共同代表のジェームズ・ガン監督は、自身のSNSでこれら2作品を「DCU非正史作品」と明言した。
小説については「正史ではありません」とシンプルに発言し、クリプト短編に関しては「正史ではないが大好きだ」と愛着を見せつつも、本編の歴史には組み込まない姿勢を示している。
クリプト短編は当初から正史外であるとされていたため驚きは少ないが、映画と関連性があると思われていた前日譚小説までもが非正史扱いとなった点は、ファンにとって予想外だったと言えるだろう。
ガン監督は以前から「自分がすべてのプロジェクトを指揮しているわけではなく、すべてを管理し把握するのは不可能に近い」と発言しており、この方針が背景にあると考えられる。さらに映画と連動したコミック展開についても同様に「正史扱いは難しい」とコメントしており、結果としてDCUの正史は映像作品に限定される形が強調された。
こうした方針にはメリットもある。紙媒体やスピンオフ短編などを無理に組み込むと矛盾や整合性の問題が生じやすく、ファンにとっては「すべてを追わなければならない」という負担にもつながる。そのため「映画とドラマ・アニメが正史」「小説や短編は非正史」という区分を明確にした方が、シリーズを追いやすいといえる。ファンにとっては物語を楽しむためのハードルが下がり、DCUとしても作品管理の効率化につながるだろう。
もちろん将来的に例外が生まれる可能性は否定できない。人気のあるキャラクターや短編作品の設定が、後に本編に逆輸入される可能性もあり得る。しかし少なくとも現時点では、DCUは「映像作品主軸」の姿勢を貫く方針が固まっている。
注意点として、マット・リーブス監督が手がける『ザ・バットマン』シリーズもDCU正史には含まれない。こちらは独立した世界観で物語が進んでおり、同じバットマンというキャラクターであってもDCU世界のブルース・ウェインとは別人物として描かれている。
今後DCUシリーズは『スーパーガール』『クレイフェイス』『マン・オブ・トゥモロー』といった正史映画、そして『ランタンズ』を始めとしたドラマが続々と展開していくなかで、この「正史と非正史の線引き」はますます重要性を増していくはずだ。DCスタジオがどのようにユニバースを構築し、どこまで包括的に扱うのか、ファンとしても引き続き注目していきたい。

この割り切り方がむしろ良いかもですね

「Ginema-nuts」「トイハコ」の管理人です。アメコミ、特撮が主食の大きなお友達の一人です。
【広告】
【広告】