『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』の感想レビュー!赤緑世代は楽しめたのか?

本サイトのコンテンツには、広告リンクが含まれています。

出典:©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku
©Pokémon ©2017 ピカチュウプロジェクト
©2017 Pokémon. ©1995-2017 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.

すっごい久しぶりにポケモン映画を見に行きました。
たぶん『劇場版ポケットモンスター セレビィ 時を超えた遭遇』が最後だった気がする。

あれってもう16年も前なんだね。怖い。

ちなみにゲームはわりかし最近までやってましたが、「サン・ムーン」はまだやってません。いつかはやりたいですが、なかなか時間と集中力が・・・。

でも今年のポケモン映画は何か違うぞ?
どうやら僕みたいな赤緑世代にピンとくるような内容らしい。

ポスターや予告を見るとなんだかまた見たくなってきました。

ということで今回は『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』の感想レビューです!

※この記事にはネタバレ情報が含まれています。

結論から言うと初代世代目線だと80点ぐらい

まずは結論から行きましょう。
赤緑世代で久しぶりにポケモン映画を見た世代として、今作80点ぐらいの出来です。といっても高めな点数ですけどねw

細かい説明は後々していきますが、初代アニメの正当なつながりを期待していくと微妙な気持ちになります。

ですが、その期待を抜きにしてみればサトシとピカチュウの絆、ひいてはトレーナーとポケモンたちの絆を描いてきたポケモンという作品の集大成のような作品になっています。

20周年作品ということで、いろいろと気合が入ってましたね。
個人的に感じたのは、宣伝の段階でかつてポケモンを見ていた世代もターゲットに入っている思われるので、内容は子供も大人も楽しむことができます。

途中ダークな展開を見せるシーンなんかは少しグッときます。

また初代からポケモンをプレイしている人に対するサービスシーンも満載でした。ただどれも基本的にストーリーに関連する部分ではありません。おまけ程度です。

ということで、作品自体は悪くないですが、過度に昔のポケモンの名残や雰囲気を持っていくと尚早期待はずれな面もあります。
そんな理由から今作は80点ぐらいの出来と評価しました。

絵柄はアニメの『サン・ムーン』とは違う

今作のサトシたちのキャラデザに関してですが、現在放送中の『サン・ムーン』の丸みのある柔らかいデザインではなく、初代に近いようなキャラデザになっていました。
厳密にいうと少し丸みのある初代のデザインといった感じ。

正直まだ新しい方のキャラデザに見慣れていない僕からしたらこれは安心してみれましたね。

タケシやカスミは?シゲルは?

さて、赤緑世代にとって気になることの一つといえばサトシの最初の相棒であるタケシカスミ。そしてライバルのシゲル
このおなじみの3人が今作に出てくるのかということと。

結論から言うと、タケシとカスミは本編には出てこない。シゲルは一切出てこない。

本編にはというのは、今作のスタッフロールにはファンサービスなのか、歴代のサトシの相棒たちが登場します。登場と言ってもセリフは無いですし、動きも少ないのですが。
そこにタケシやカスミが登場します。他にもヒカリやハルカ、マサトやアイリス、セレナなども登場します。

ただこれはファンサービスのようなものなので、本編には一切関係ありません。

そしてこのファンサービスにすら登場しなかったシゲルはなんとも悲しい。
一応存在自体はしているような会話はありました。(サトシがオーキド博士からポケモンを貰う際に、先に御三家を貰っていたトレーナーのこと)
ただこれじゃほぼいなかったようなものです。

ちなみにサトシは今作でジムバッチを3つ(4つだったかも)手に入れています。エリカにジムバトルを挑むシーンがありました。ということはすでにタケシとカスミには出会っており、対戦もしているということですね。

その際この二人はサトシについてこなかったということになります。完全に別世界ですね。

そういえばサトシとピカチュウが出会った最初の頃に、オニスズメの群れに追われ、その途中カスミの自転車を借りパクしたシーンがアニメにはありましたが、そこは映画ではスルーです。

それでは今作のサトシは一体誰と旅をしているのか?

それはマコトソウジという今作のゲストキャラです。
旅の途中で出会ったこの二人と成り行きでともにすることになります。

ただ今作のラストではお互い別々の道を往ったので、今後本編に登場することはそうそうなさそうです。(別世界ならもっとないかも)
余談ですが、マコトは髪をおろすとかわいい。

まぁ長々と書いてきましたが、要はカスミもタケシもシゲルもいません!!

ピカチュウついにしゃべる

今作で衝撃的なことのその一つ。
それはピカチュウがしゃべるということ!

声優の大谷育江さんは最近ではコナンの光彦やワンピースのチョッパーなどでしゃべっている声を聞くことができますが、ピカチュウがしゃべるとなるとそのあたりのキャラと被りますねw

ちなみに今回ピカチュウが何としゃべったのかといいますと、

今回のゲストポケモンのマーシャドーにやられ、気を失う寸前のサトシがピカチュウにモンスターボールに入るように促す。
それを拒否したピカチュウがサトシに向かって、

「ずっと一緒にいたいから・・・」

とモンスターボールに入らない理由を自らの言葉で話します。
この演出はサトシの意識がもうろうとしている最中でのことでしたので、サトシの幻想と片づけてしまえばそれまでですがね。

でも初めてピカチュウがモンスターボールに入らない理由が判明したのは大きい。

初期のころは単純にモンスターボール嫌いだったのかもしれませんが、サトシとの友情を深めていくなかでピカチュウの心境が変わったのかもしれませんね。

しゃべったのにはビビりましたが、個人的にはピカチュウのしゃべる姿が見れて嬉しいですね。
20年越しにポケモンと心が通じ合えたみたいな演出はたまらんです。

リザードンがグレない

今作にはサトシの人気ポケモンのリザードンが登場します。
リザードンに関してはヒトカゲの頃から登場し、そのままリザード、終盤でリザードンに進化します。

サトシのリザードンといえばご存知の通り、グレています。サトシの言うことをしばらくの間聞かなかったですよね。

ですが、今回のリザードンはなんと進化しても言うことを聞いてくれます!
なんだかリザードンといえば命令を聞かないという勝手なイメージがついてしまったので、最初から従順なリザードンが新鮮でしたw

登場したのがクライマックスなので、ここでグレたらストーリーがずれてしまいますし、仕方ないですけどね。

基本的に初代のポケモンしか登場しない

今作には様々なポケモンが登場します。
ただ舞台がカントー地方(サトシがカントー地方のバッチを集めている)ということもあり、登場ポケモンのほとんどが初代からいるポケモンとなっています。

もちろんホウオウやエンテイなどの伝説のポケモン、ソウジのルカリオやマコトのポッチャマ、新ポケのマーシャドーなどもいますが、それ以外のポケモンは初代からいるものしかいませんでした。

ソウジはわかりませんが、マコトに関してはカントー地方以外のところからきているということを語っています。

設定的に当たり前ではありますが、僕みたいに初代からポケモンをプレイしている人からしたらなんとなく安心できる絵面でした。

特にクライマックスでマーシャドーが操ったポケモンは初代ポケモンばかりでした。ニドキングやニドクイーン、サイドン、ピジョット、アーボック。もう懐かしすぎるよね。

初代世代へのサービスが素晴らしすぎる。

歴代の映画に関するシーンの登場

今作は20周年のお祭り映画のような側面もあったのか、先ほど書いたスタッフロールの歴代のサトシの相棒たちの登場の他にも、映画に登場した街のシーンが出てきます。

特に一番印象に残っているのはオレンジ諸島のアーシア島ですね。わかる人にはわかると思いますが、ここはルギアの伝説がある場所。
ここが一瞬ですが登場します。

しかもルギアも登場するんですよ!
これも一瞬でしたが、素晴らしすぎるファンサービス!

どうやらルギアが登場するのは単独映画以来らしいので、見ている人にしかわからないやつですよ。
もしかしたら他の映画に関するシーンが登場したのかもしれませんが、ここは僕の知識不足で確認できませんでした・・・。

この辺は実際に本編を見て自分の目で確認してみてください!

旅立つ前にサトシが見ていたポケモンバトル

アニメ第1話、サトシが旅に出る前日の夜。
サトシはテレビでポケモンバトルを見ていましたよね。

アニメ版では初代のゲームでオマージュでニドリーノとゲンガーのバトルでしたが、今作ではカメックスとフシギバナに変更。

しかし注目すべきはポケモンではなく、そのトレーナーです!

トレーナーの姿が映し出されたときにどこかで見たことあるなーと思ったのですが、実は『ミュウツーの逆襲』に登場したトレーナーたちなのです。

フシギバナを操るのはソラオ。声優はアムロなどでおなじみの古谷徹さん。
一方カメックスを操るのはスイート。声優は佐藤藍子さん。

これでピンと来てくれる人もいると思いますが、ミュウツーのポケモン城に招待されたトレーナーの2人ですよね!
確かソラオのフシギバナの名前はバーナード、スイートのカメックスはクスクスという名前でした。

今作に登場したそのトレーナーが『ミュウツーの逆襲』の2人と同一人物なのかは不明ですしセリフもないのですが、正直見た目はそのままだし使っているポケモンは同じだし、本人っていうことでもいいんじゃないかな??

こういったファンサービスは本当にたまらないですよね!

赤緑というよりは金銀ストーリー?

今作はポケモンのアニメ第1話以降のストーリーという位置づけなので、赤緑のカントー地方でのストーリーを主体にしていると思いきや、どちらかというと金銀ベースのストーリーのように感じました。

登場する伝説のポケモンがホウオウやスイクン、エンテイ、ライコウならばそうなりますよね。
ジョウト地方のスズのとうの伝説も語られるので、ジョウト地方なのかと勘違いしちゃいます。

ホウオウは設定的に世界中の空を飛び回っているポケモンなので、カントー地方で見られても不思議ではないのですが。

そういった理由からも今作はアニメポケモンの第1話の後の話といっても赤緑のストーリーというよりは金銀よりなストーリーとして展開しやような気がしました。

はじめてホウオウがフューチャーされて嬉しい

この映画で嬉しいことの一つ。それはホウオウがフューチャーされたということ。
これは悲願だったかも。

金銀が発売されてもう18年。銀のパッケージポケモンのルギアの映画『幻のポケモン ルギア爆誕』公開からも18年。

ついにホウオウさんがスクリーンに登場です。しかもメインで!

といっても登場するのは最初と最後なのですが。ですがホウオウ自体あまり触れられることがないのでこのようにストーリーに登場するのは嬉しい限りです。

元をたどるとアニメポケモンの1話に意味深に登場したホウオウ。この演出が今作の元ネタの一部といっても過言ではないわけです。

そもそも第1話が放送されたのは1997年。金銀の発売の2年前ですからね。当時はドンファンやヤドキングとともにホウオウも新ポケとして発表されていたので、ある意味サプライズ的な登場だったらしいです。

その伏線を20年経って回収するのは大がかりですよほんと。

まぁ当時からこの計画があったわけではないにしても、覚えててくれたんだなーと感じました。

ルギアみたいに人間の言葉をしゃべるわけではないですが、登場してくれるだけでも嬉しすぎます。

また今回はホウオウに命を与えられたという伝説があるスイクン、エンテイ、ライコウも登場します。
スイクンは『セレビィ 時を超えた遭遇』、エンテイに関しては『結晶塔の帝王 ENTEI』でメインを張っていますので久々の登場といった感じでしょう。
ライコウも番外編『ライコウ雷の伝説』という作品に登場していますが、映画でもないしサトシとも出会っていません。

今作はその3体の伝説のポケモンも登場します。
大規模なバトルを繰り広げるようなことはしませんし、しゃべったりもしないのですが、ホウオウに続いてこの3体が再びアニメでてくれるのは世代の僕としては嬉しいところでした。

1話のオマージュには感動

今作で泣けるシーンといえばクライマックスシーン。
暴走したマーシャドーと操られるポケモンたち。

そのポケモンたちからピカチュウを守ろうとするサトシ。それはまさに1話でオニスズメからピカチュウを守るシーンのオマージュです。

1話だとピカチュウが電撃技をくらわしてオニスズメを追い払いますが、クライマックスシーンではピカチュウも力尽きてしまいます。
サトシの肩を台にして高くジャンプしようとしたピカチュウがその途中で力尽きて地面に落ちるシーンは泣けました。可哀想すぎるでしょ。

そのままサトシはポケモンたちの攻撃を受けて消滅します。

第1話のバッドエンドパターンみたいな演出ですよ。

今作でも1話の出来事は描かれていますので、余計のその対比が濃くなっていました。

ベタな演出かもしれませんが、涙腺が緩くなった僕にとってはたまらない演出でした。

やっぱりポケモンっていいなぁ・・・。

サトシの復活が強引

クライマックス、マーシャドーの操るポケモンたちにピカチュウを身を挺して守ろうとして、消滅したサトシ。
そして残されたサトシの帽子を手に悲しみにくれるピカチュウ。

このシーンどっかで見覚えがあると思いますが、『ミュウツーの逆襲』でも同じようなことがありましたね。
ミュウとミュウツーの間に入り、戦いを止めようとしたサトシが両ポケモンの攻撃を食らって石化してしまうシーン。

あれは確か周りにいたポケモンやクローンポケモンの涙で奇跡の復活を遂げていましたね。
原理はよくわかりませんが、一応は復活にいたる理由が描かれています。

ただ今作のサトシの復活シーンですが、本当によくわからなかった。
消滅したサトシは生死の境のなかで草原をピカチュウと駆け抜ける夢を見る。

一方ピカチュウは目の前に突然光りのオーブが現れる。

そのオーブがやがてサトシになり、復活するというもの。
これはちょっと拍子抜け。あまりに唐突な復活過ぎました。せめてもう少し理由付けが欲しかったです。

ピカチュウの涙で復活とか、伝説通りホウオウが再びサトシに命を与えたとかね。
もし後者ならホウオウが現れて命を与えるようなシーンがあってもいいと思いますが、そういったこともなし。

むしろホウオウはサトシの復活後にようやく姿を現します。

この辺はどうしても腑に落ちませんでした。
もしかしたら僕の解釈の違いや抜けがあるのかもしれませんが、もうすこし納得のいく復活が良かったですね。

『ポケモンのいない世界のサトシ』はどんなメッセージが?

今作のなかで一番闇が深いシーン。それが『ポケモンのいない世界のサトシ』

サトシ道中、今作に登場するクロスというトレーナーにコテンパンにやられます。
敗戦で落ち込んだサトシは、ついピカチュウに対して辛く当たってしまいます。

ピカチュウと離れ離れになったサトシは疲れ果て、森の木陰で眠りにつきます。

そんなサトシを最初からつけてきたマーシャドーはある夢を見せるのです。
それが『ポケモンのいない世界のサトシ』です。

これがなかなか衝撃的で、サトシは目を覚ますとママにせかされて学校へ向かいます。
部屋に飾ってあったはずのヒトカゲ、ゼニガメ、フシギダネの絵は「車の絵」に変わっています。サトシ自身もポケモンのことを覚えていません。

そしてサトシは現実世界の人間と同じように普通に学校へ向かいます。
クラスメイトとなっているマコトやソウジといつも通りでの会話をして、普通の小学生として生活をしているのです。

これかなり衝撃的すぎでしょ。
一瞬今までのサトシの冒険はすべて夢オチだったんじゃないかという嫌な妄想までしちゃいました。

『ポケモンのいない世界』のサトシはこの世界ついてソウジに様々なことを尋ねます。「この街の先はなにがるのかな?」「海や山を越えると何があるのかな?」

そんな問いにソウジは「また違う街がる」「また海がある。山がある」など当たり前のような答えをします。
ソウジはそんな質問をするサトシに対して「何も気にすることなく世界中を冒険してみたい」なんていうことを言います。

サトシはそこでなにか大切なものを忘れていることに気づきます。大切な友達のピカチュウのこと。

そこでサトシは目を覚まします。
探しに来てくれたソウジやマコト、そしてピカチュウに辛く当たったことを謝りまた冒険の旅へ出ます。

このシーン、大人が見るとどう思うのかな?
辛すぎるよおおおお。

子供の頃にあった冒険心みたいなのを思いだしたような、もうなんでも挑戦できる子供ではないことに気づいてしまう複雑な気持ちになります。

『ポケモンのいない世界』のサトシはポケモンという大切な友達のことを忘れてしまいました。
そして現実世界に生きる僕たちは一体どんな大切なことを忘れてしまっているのか?

現実世界で現実と向き合うことによって何かを失ってしまったのではないか?

そんな哲学的なことを考えさせらるシーンでした。

まさかポケモンで再びこんな深いことを考えてしまうとは・・・。
まんまと製作者側にやられましたね。

それにしてもこのシーン本当に怖いよ。今までのポケモンたちとの大冒険が夢オチだったとか洒落にならんよ・・・。どっかでみた都市伝説みたいじゃないか・・・。

まとめ

書きたいことを書きなぐっていたらこんなにも長くなってしまった・・・。
完全な独り善がりのような記事になってしまいましたが、今作『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』はオススメできます!

もちろん最初に書いたように、初代からのファンには少しばかり期待はずれな部分もありますが、ファンサービスも多く、何よりストーリー自体は面白いので是非見てもらいたいです!

久々にポケモンのゲームやとうかな。そういえばこの記事を書きながら知ったのですが、金銀のダウンロード版が9月に発売されるみたいですね!

これは買いますやります!!当時は銀を買ったので、今回は金を買おうかな。ホウオウも今作に出ていたしね。

ということで、『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』の感想レビューでした!!

ゆとぴ

ゆとぴ

「Ginema-nuts」「トイハコ」の管理人です。アメコミ、特撮が主食の大きなお友達の一人です。

@frc_watashi

ゆとぴのトイハコ

@yutopipi_frc