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2017年に公開されたMCU映画『ドクターストレンジ』は、今でこそ多くのファンを獲得することになった人気映画となっており、現在では続編の『ドクターストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』も製作をされている。
そんな『ドクターストレンジ』、製作当初はエンシェント・ワンのキャスティングに関して大きな批判が寄せられていた。
コミックのエンシェント・ワンはアジア人男性であり、壮年のチベット人の僧侶として描かれていた。しかし実際の映画では白人女性であるティルダ・スウィントンがキャスティングされていたのだ。
このことについてコミックファンなどからは「ホワイトウォッシュ(白人以外の役に白人俳優が起用されること)」だと批判の声が寄せられ、当時はスコット・デリクソン監督やマーベル・スタジオ代表のケヴィン・ファイギ氏も弁明のコメントを出す事態となっていた。
ケヴィン・ファイギ氏はこの問題について改めて振り返り、後悔をしていると明かしている。
中国への配慮には言及せず
マーベル・スタジオ代表のケヴィン・ファイギ氏は海外メディアのインタビューに対して、『ドクターストレンジ』でのエンシェント・ワンのホワイトウォッシュ問題について改めて振り返った。
・Kevin Feige Says He Regrets Whitewashing in Doctor Strange Cast
ティルダ・スウィントンがキャスティングされる前は、スコット・デリクソン監督は壮年アジア人女性俳優のキャスティングを検討していたとしているが、最終的には上記のほうな結果となっていた。却下された理由にはいわゆる「ステレオタイプ」なアジア人キャラクターになることを避けるためだとコメントしている。
加えて原作コミックのエンシェント・ワンがチベット人というところもあり、現実世界でのチベット問題を抱える中国への配慮もあったのではないかと推測されている。いまはや中国は世界規模で大きな影響力を持つ映画市場であり、そこを無視しての映画作りは現代では困難だ。万が一コミックの設定通りにチベット人のエンシェント・ワンを登場させていたのならば、中国で『ドクターストレンジ』の公開禁止の可能性もあっただろう。
もちろんチベット人ではないアジア人キャラに変更するという選択肢があっただろうが、これは非常に複雑な問題だ。
これに似た問題は最新作『シャン・チー/テン・リングスの伝説』でも起きている。
コミックに登場するシャン・チーの父親フー・マンチューは、いわゆる欧米人が考えるステレオタイプのアジア人を想起させるとのことで、新たにウェンウーを作り出し、アジア人俳優であるトニー・レオンが演じる形となっている。
『シャン・チー』はホワイトウォッシュ問題は避けることができているが、一方で作品の全体的な内容について問題がある可能性が指摘されており、中国での上映禁止の可能性が出てきていることは以前に伝えられていた。
アジア人のキャラクターを描くうえで、最大の人口を誇る中国を無視することは困難だ。果たしてマーベル・スタジオが描くアジア人キャラクターはどのような方向へと向かっていくのだろうか?
同じアジア人でもある日本からも今後の動きに注目をしておこう。
「Ginema-nuts」「トイハコ」の管理人です。アメコミ、特撮が主食の大きなお友達の一人です。
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