Netflix、ワーナー・ブラザースを買収へ

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ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの売却をめぐって続いてきた争奪戦が、ついに大きな節目を迎えた。

複数の報道によれば、同社の映画・テレビスタジオや配信事業など資産の入札で、Netflixがトップ入札を提示し、現在ワーナー側と独占交渉に入っているという。交渉が順調に進めば、DCスタジオを含むワーナーの主要IPは、数年以内にNetflix傘下に入る見通しと伝えられている。

ここまでの経緯としては、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが資産売却による立て直しを図る中で、パラマウント・スカイダンス、コムキャスト、アップルなど、ハリウッドの大手各社が数か月にわたって入札合戦を繰り広げてきた。

最終ラウンドでNetflixは、ワーナー株をおおよそ1株30ドルの価格で提示し、その約85%を現金で支払う提案を行ったとされる。契約案には約50億ドルの解約金条項も盛り込まれており、規制当局が買収を差し止めた場合でも、Netflix側が高額のペナルティを負う構造になっているという。

今後の流れとしては、まずアメリカ司法省による独占禁止法上の審査を経て、その後ワーナー株主による最終承認が必要になる。専門家の見立てでは、このプロセスには少なくとも12〜18か月程度を要し、早くとも2026年後半になるとの予測が示されている。

こうした動きに対して、敗れた側の有力候補であるパラマウント・スカイダンスは強く反発している。同社はワーナー・ブラザース・ディスカバリーのデヴィッド・ザスラフCEO宛てに書簡を送り、売却プロセスの「公正性と妥当性」に疑義があると主張。

経営陣が当初からNetflixとの取引を「優先」しており、他の入札者に不利な条件で競争が進められたのではないかと指摘している。パラマウント側は、利害関係のない取締役だけで構成される特別委員会を設置し、売却手続きの透明性を担保するよう求めているという。

今回の買収が成立した場合、Netflixはワーナー・ブラザース映画、DCスタジオ、HBO Maxを含む配信事業、そして『ハリー・ポッター』やDC映画、『バービー』など巨大フランチャイズの新たなオーナーとなる。

一方で業界内では、Netflixの「劇場より配信優先」の姿勢がDC映画にどう影響するかを不安視する声も少なくない。これまでNetflixは、自社作品の多くを配信専売とし、劇場公開は賞レース用の限定上映にとどめている。

しかし近年は、アニメ映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』のシングアロング上映や、『ストレンジャー・シングス』最終話の年越し劇場イベントなど、イベント型の劇場展開に踏み出すケースも出てきており、新たなハイブリッド型モデルを模索しているとも報じられている。

とはいえ、現段階ではあくまで独占交渉に入った段階であり、今後の規制当局の判断次第では条件変更や白紙撤回の可能性も残る。
それでも、長年ハリウッドを支えてきたメジャースタジオの中核部分が、ストリーミング企業による買収に向けて動き出した事実は重い。Netflixによるワーナー・ブラザース買収は、映画の作られ方や公開のされ方、そしてDC作品を含むエンタメの受け取り方そのものを変えてしまうかもしれず、その行方に世界中の映画ファンと業界関係者の視線が集まっている。

こいつはやばすぎるぞ

ゆとぴ

ギネマナッツ編集部

映画情報サイト「Ginema-nuts(ギネマナッツ)」の編集部です。

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