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映画・配信・テレビを抱える巨大グループの収益構造は、好調な一本があっても全体で相殺されてしまうことがある。
近況のワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)もその典型的な例である。
Variety誌のレポートによると、WBD映画スタジオ部門は2025年に『スーパーマン』や『WEAPONS/ウェポンズ』『死霊館 最後の儀式』『F1』などの新作がヒットしたおかげで前年比売上高が74%増加と大きく伸長していた。
しかしテレビ放送まわりの不振が響き、四半期全体では減収・赤字計上となった。
テレビ事業の収入は前年同期比で23%のマイナスとなり、金額ではおよそ38.8億ドルまで減収した。大規模スポーツイベントや選挙報道といった特需が薄かった反動に加え、視聴スタイルの変化が逆風となっている。
スタジオ側が『スーパーマン』などの興行で稼いでも、テレビの減速が全社の損益を食うため、会社全体の収益としては“スーパーマン効果”が薄まってしまうわけだ。
実際、全社の今期の決算は売上が約90億ドルで前年から6%減、最終損益は赤字に転落した。
こうした収益構造の問題に対し、WBDは分社化という手法を検討している。会社は2025年6月、ストリーミングとスタジオを核とする事業と、テレビ事業を分け、二つの公開会社として再編する計画を公表した。
分社後は、それぞれ会社が投資家に独立した収益性や成長ラインを提示できるため、映画ヒットがテレビの落ち込みで“相殺される”見え方は一定程度緩和されることになる。
このほかにもWBDの身売りの報道もでており、実際に提案を受けていることを公にしている。現在その筆頭候補にはパラマウント・スカイダンスが挙がっている。
それぞれ異なる収益構造や問題を抱える中で、分社化をすることで、事業として独立して収益を伸ばしやすい方向に持っていく、これが今後WBDの行方をどのように左右していくのか注目をしておこう。

収益もデカいが、損失もさらにデカいわけか

映画情報サイト「Ginema-nuts(ギネマナッツ)」の編集部です。
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