『イカゲーム』シーズン3、ラストシーンの意図とは? ー 監督「繋げようとは思っていなかった」

本サイトのコンテンツには、広告リンクが含まれています。

※この記事には『イカゲーム』シーズン3のネタバレを含みます。ご注意ください。

Netflixの人気ドラマ『イカゲーム』は、シーズン3でフィナーレを迎えた。

主人公のソン・ギフンは、イ・ミョンギと、母であるキム・ジュニの番号を引き継いだ赤ん坊の3名で生き残り、赤ん坊を必死に守ろうとしたギフンはミョンギともつれ合いながら巨大な◯型の柱から落下。ミョンギはそのまま地面に落下して死亡した。

鉄骨にしがみつき、なんとか這い上がったギフンは、赤ん坊と2人きりとなり、ゲームを終わらせるため自ら命を絶った。最終的に勝者は222番のジュニの赤ん坊となった。

ラストではフロントマンであるファン・イノがギフンの遺品であるジャージと残された遺産を、アメリカ・ロサンゼルスに住むギフンの娘へと届け、物語は完結したかに見えた。

しかし、その後の車中から偶然目にした路地裏では、ケイト・ブランシェット演じる女性とホームレス風の男性がめんこ勝負をしている場面が描かれた。これはアメリカでもゲームが続いていることを示唆するものであった。

このラストシーンについて、シリーズの脚本・監督を務めたファン・ドンヒョク氏は、海外メディアのインタビューの中で、続編につなげる意図はなかったことを明かしている。

“ギフンとフロントマン、このキャラクターたちを通して、韓国におけるゲームは終わりを迎えました。この物語は、際限のない競争と資本主義が生み出したシステムの問題に取り組みたいという思いから始まったので、こうしたシステムは、たとえ一つが崩壊したとしても、全体を解体することは容易ではなく、常に繰り返されるという事実を強調する形で終わらせたかったのです。だからこそ、アメリカ人リクルーターで終わらせたかったのです。そして、あのシーンを書いたのは、何か他の余地を残すためではなく、作品にインパクトのある結末を与えたいと思ったからです。”

つまり、韓国で起きた殺し合いゲームは、巨大な資本主義の歪みによって生まれたものであり、それは資本主義社会であればどこでも起こりうるという点を強調したのが、アメリカでのシーンだということだ。

資本主義を崩壊させるのは容易ではなく、この社会システムが存在する限り、ゲームはどこの国でも起こりうる。ファン・ドンヒョク氏は、あくまでアメリカ版『イカゲーム』を作るための布石ではなかったと強調している。

ちなみに、アメリカ版『イカゲーム』についてはすでに制作中との報道もあり、デヴィッド・フィンチャー監督を迎えて準備が進められているとDeadlineなどが伝えている。脚本にはデニス・ケリー氏が就任する可能性があるという。

公式発表はまだないが、早ければ2025年12月以降に撮影が始まり、配信は2027年ごろになると見られている。

キャストには、シーズン3でまさかの出演を果たしたケイト・ブランシェットが再登場することも予想されており、彼女がアメリカで新たな参加者を募る役割を担う可能性は高い。

果たして海を越えて、命を懸けた賞金ゲームは続いてしまうのだろうか?『イカゲーム』シリーズはNetflixで配信中だ。

図らずとも横展開が可能なドラマとなりました

ゆとぴ

ギネマナッツ編集部

映画情報サイト「Ginema-nuts(ギネマナッツ)」の編集部です。

@Ginema_nuts

ゆとぴのトイハコ