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キアヌ・リーブス主演の人気アクション映画シリーズ『ジョン・ウィック』は、新作映画『ジョン・ウィック5』の制作が控えており、さらにはスピンオフ映画『バレリーナ』や、ドニー・イェンが監督・主演を務める『ケイン』の制作も決定しており、シリーズの世界観はさらなる広がりを見せている。
このように順調に拡大を続ける『ジョン・ウィック』シリーズだが、その成功はキアヌ・リーブスだけによるものではない。
最近、ハリウッド・レポーター紙のインタビューに応じたチャド・スタエルスキ監督は、近年のマーベルやDCといったアメコミ映画の不調にも言及しつつ、自身が考える「映画におけるアクションのあり方」について持論を語っている。
アクション映画の最大の問題は、みんな「2本の別々の映画」を作ってると思ってることなんだ。殴ったり蹴ったりしてるからって、ストーリーが止まっていいわけじゃない。スーパーヒーロー系の作品でよくあるのは、セカンドユニットの監督が映画の半分を撮ってて、アクションシーンだけ画がまるで別物になる。色味や編集さえ違うこともある。そうなると作品全体が統一感を失うんだ。だから、アクションを自分で撮るつもりがないなら、その映画は撮るべきじゃない。スティーヴン・スピルバーグでも、クリストファー・ノーランでも、ガイ・リッチーでも、ウォシャウスキー姉妹でも、みんなアクションを自分で撮ってるよ。”
スタエルスキ監督は、これまで多くの名作を生み出してきた監督の名を挙げながら、アクションとストーリーは本来ひとつのものであり、映画としての統一感を保つためには同じ監督が撮影や編集を手がけるべきであると語った。
これは理にかなっており、観客にとってはアクションもストーリーも含めて一つの映画作品であり、両方を一貫して楽しめることが重要である。
もしアクションだけが作品全体から浮いたような演出やトーンになっていた場合、観る側に違和感を与えてしまうのは明白だ。
その最たる例がマーベル映画『ブラックパンサー』であり、ストーリー自体は優れていたものの、終盤のブラックパンサーとキルモンガーの戦闘シーンはVFXの質も含めて、やや作品から浮いた印象があった。
一方で、ルッソ兄弟が手がけたMCU作品や、デスティン・ダニエル・クレットン監督による『シャン・チー/テン・リングスの伝説』では、いずれも監督自らがアクション演出を担っていたため、映画全体のトーンが破綻することはなかった。
もちろん、作品や制作スタイルによって撮影体制は異なり、スタエルスキ監督の主張がすべての作品に当てはまるわけではないだろう。
とはいえ、これが『ジョン・ウィック』シリーズにおいて一貫して大切にされてきた要素であり、観客の支持を得てきた理由の一つでもある。
今後の新作においても、アクションとストーリーの両方を違和感なく楽しめることに期待したい。

アクションもストーリーのひとつですね

「Ginema-nuts」「トイハコ」の管理人です。アメコミ、特撮が主食の大きなお友達の一人です。
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