『スパイダーバース』ライター、トムホ版スパイダーマン使用禁止の回避策を明かす ー 「アベンジャーズ・キャンパス版なら」

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コミックのスパイダーマンは無限に増殖できそうに見えて、現実はわりと権利問題に縛られている。

『スパイダーバース』を手がけたダン・スロット氏が、コミックで「実写映画のスパイダーマン」を使えなかったとの裏事情を自身のスレッズの投稿にて明かした。

スロット氏によると、当時はソニー・ピクチャーズ側の映画版スパイダーマンを『スパイダーバース』や、その後の『エンド・オブ・ザ・スパイダーバース』に登場させる許可が出なかったとのことだ。マルチバースを扱うのに実写映画のスパイダーマンたちには触れることができないのは、結局は権利的な都合だったようだ。

”ライセンス物のコミックを書くと、いつも好き放題できるわけじゃないんだ。愛しているキャラクターの物語を語る機会を得る代わりに、制約も受け入えることになる。例を挙げると、最初の『スパイダーバース』や『エンド・オブ・ザ・スパイダーバース』では、ソニー映画版のスパイダーマンたちを使えなかった。”

ただ、完全に手も足も出なかったわけではない。スロット氏は「回避策」として、ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーにある「アベンジャーズ・キャンパス」のアトラクション「ウェブスリンガーズ:スパイダーマン・アドベンチャー」のスパイダーマンなら使用許可が出たと明かしている。

設定的にはトム・ホランド版のスパイダーマンとして扱えるが、顔を出して本人の顔を描くのは不可だったようだ。

”ただ1人については回避策を考えた。アベンジャーズ・キャンパスの「ウェブスリンガーズ」に出てくるスパイダーマンなら使っていい許可が出たんだ。設定ではトム・ホランド版スパイダーマンだ。でもマスクを外して、トム・ホランドの顔に似せた素顔を見せる許可はなかった。”

ただそれでも諦めなかったスロット氏は初期稿で、スパイダーマンが「ホランド・トンネル」付近で人命救助する場面を書き、背後の標識が「Holland T……」と読めるようにコマ割りで隠す案を出した。どうやらトム・ホランドの名前だけでも匂わせたかったのだろう。だが編集部の反応は容赦がなかった。

”初期稿では、そのスパイダーマンがホランド・トンネル入口の近くで人を助ける場面を書いた。標識の前でスパイダーマンを大きく描いて、「Holland T」までしか見えないようにするつもりだった。でもマーベル編集部は、そんなのは絶対に許さないと、はっきり言ってきた。”

スパイダーマンの権利は映像のみがソニー・ピクチャーズが有しており、コミックはそのままマーベルに帰属している。ただ映像由来のスパイダーマンとなれば話は別のようだ。今後もこういった制限は存在し続けると思うが、コミックライターたちがどのようにして巧みに回避していくかは、ファンとしても見ものだと言えるだろう。

ホランド・トンネルはワロタ

ゆとぴ

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