ギレルモ・デル・トロ監督、生成AI使用に「死んだほうがマシ」 ー 映像での使用を否定

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映画界では生成AIの扱いが議論の中心にある。

そんな中、アカデミー賞監督でもあり、最新作『フランケンシュタイン』のギレルモ・デル・トロ監督が、映像制作での生成AI活用をきっぱり否定する発言をしている。かんとくはNPRのインタビューの場で、自身の姿勢を率直に語った。

”私が心配しているのは人工知能ではなく、人間の愚かさだ。世界のひどい出来事の多くはそこから来る。ヴィクター・フランケンシュタインの傲慢さは、テック業界の一部の人々にも重なる。結果を考えずに何かを生み出そうとしている。どこへ向かっているのか、いま立ち止まって考えるべきだ。
生成AIには興味がないし、これからもない。私は61歳だが、死ぬまで使わずにいられることを願っている。先日「AIについてのあなたの立場は?」とメールで聞かれたので、短く答えた。「死んだほうがマシだ」と。”

監督は過去にも同様の見解を示しており、ロンドンのBFIイベントではこう語っている。

”AIが示したのは、半分は魅力的に見えるスクリーンセーバー程度のものだということだ。芸術の価値は、どれだけ安く、どれだけ手間なく作れるかではない。その場に立ち会うために、どれだけのものを賭けるかだ。そんなスクリーンセーバーに人は金を払うのか? 息子を失った悲しみや、母を想う気持ち、若さを浪費した悔いで泣かせられるのか? そんなわけがない。”

こういった発言の背景には、映像業界における生成AIの急速な浸透がある。近年はセリフの処理や肌・髪の補正など、実写での目立たない細かい部分での利用も報じられてきたが、デル・トロ監督は創作の核を機械に委ねることに明確な線引きをしている。

現在の流れを見ると生成AIを“道具”としてどこまで許容するかは作品ごとに異なる。監督の言葉は、安易に置き換えをしようとするのではなく、人生での選択や体験で物語を構築していくことへの大切さを伝えている。今後もAI技術の進歩が報道されるたびに議論は続いていくが、少なくともデル・トロ監督のスタンスように映画業界の方針もはっきりとしていくことを願いたいところだ。

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ゆとぴ

ギネマナッツ編集部

映画情報サイト「Ginema-nuts(ギネマナッツ)」の編集部です。

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