本サイトのコンテンツには、広告リンクが含まれています。
ソニー・ピクチャーズの新作マーベル映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』。
アカデミー賞を受賞した前作から大きな期待と注目を集めていた今作は、公開されてから多くのファンの称賛を受け、内容から表現まで全てが前作を凌駕する内容で、マーベルファンたちの話題をさらっている。
しかし海外メディアによると、製作過程において過酷な状況が強いられていたことが、多くのVFXアーティストたちのコメントとともに報じられている。
そのなかには、経験豊かなアーティストから製作責任者に至るまで、様々な立場の人物が含まれており、証言では、約100人のアーティストがプロジェクトを去ったと話している。
4人の匿名を希望する関係者は、プロデューサーであり脚本家のフィル・ロード氏が初期の段階で今作のイメージを決めきれず、すでに完成した作品を再編集するという判断を下していたと主張している。
通常、このような編集の変更は、映画の企画段階やストーリーボードの段階で行われ、アニメーションの映像がレンダリング(書き出し)された後では行われないとのことだ。
しかし、それが実際に起きたことで、映画の制作も遅れが生じたとのこと。
当初、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は2022年公開予定が、コロナ禍の影響で2023年6月に延期されたと報道されていた。しかし、4人のクルーメンバーからは、そうではなかったと伝えている。
3Dを数多く駆使した今作は、その構築や書き出しだけでも膨大な時間がかかる。そのため、監督がなどがあらかじめイメージを固めておくことが、アニメ制作においては重要になってくる。
ただ今回の主張では、映像が書き出しがされた後にも関わらず、フィル・ロード氏から編集が指示されたことで、いままでの作業が水の泡になり、非常に苦労したことがVFXアーティストからコメントされている。
一方で、プロデューサーであるエイミー・パスカル氏は、このVFXアーティストたちが主張するソニーとフィル・ロード氏との間の対立について否定をしている。
また、彼女は『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』には1000人以上のアーティストが参加したと述べ、100人がプロジェクトを去ることは驚くべきことではないとも主張している。
皮肉も込められた反論ではあるが、近年ではこういった映画の制作現場の過酷な労働環境が告発されるといったニュースが相次いでいる。
実際のところ、どこまで酷い環境だったかは判断できないが、こういった大作映画を作る上で、なんども過程を戻してやり直すといったことも容易に想像がつく。
もちろん、それに振り回されるアーティストや現場の人々も存在するため、こういった軋轢は映像制作において切っても切れない問題であることは間違いない。
今後こういった労働環境などの問題がどのような方向に向かうかは状況を見ていく必要があるが、上流から下流まで関係する人々が気持ちよく映像制作に挑める環境整備がされることを願いたいところだ。
多くの人々による、多大な労力をによって、前作以上の見事な作品として完成された『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は、2023年6月16日より劇場公開中だ。
「Ginema-nuts」「トイハコ」の管理人です。アメコミ、特撮が主食の大きなお友達の一人です。
【広告】
【広告】