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円谷プロの人気ヒーローである『ウルトラセブン』には、”永久欠番”が存在する。
ファンの間では「幻の12話」と語り継がれており、エピソードタイトルは「遊星より愛をこめて」だった。
あらすじは以下。
新型爆弾の開発に失敗したスペル星人は、自らの血液を放射能で汚染させてしまったため、延命のため新鮮な人間の血液を求めて、地球に密かに侵入し、怪しい腕時計を使って吸血を行うのだった…。
内容としてはスペル星人という当初は「吸血宇宙人」という別名がついたウルトラ怪獣が登場する話だったが、媒体によっては「被爆星人」として記載されているものも多く、これが大きな問題となった。
当時の被爆団体からの抗議によって本放送された1967年以降は日本国内での再放送などはされていない。また映像ソフトなどの媒体での収録もされていないため、12話は永久欠番扱いとなっているのだ。
そんな12話が突然高画質で動画投稿サイトにて公開されたことで、2025年末ににわかにファンの間で話題となった。
映像は今まで海賊版として出回っていた録画映像や海外放送版とは比較にならないほどの画質となっており、映像の細かいところまで見ることができる、いわゆる”デジタルリマスターレベル”の高画質となっていた。
これがどこから流出したのかは、すでに動画が削除されていることもあり不明だが、多くのファンの間では内部からの流出なのではないかとの憶測が囁かれている。
もちろん何らかの高い映像技術を持つ者が海賊版を高画質編集した可能性も捨てきれないが、やはり「映像が綺麗すぎる」のだ。
天才的なアングルの撮影でも有名な実相寺昭雄監督による映像表現なども繊細なところまで見ることができ、どう考えてもオリジナルのフィルムを使用しての編集なのではないかと考えられる。
幻の12話は放送から60年近く経っても特撮界の大きなタブーとしてアングラ扱いされており、特に世界で唯一の原爆投下の悲劇を経験した日本では今後も公式による放送や映像ソフト化が行われることはないだろう。
今回の騒動で沸き立つファンももちろん存在するが、一方でその魅力を失ってしまったとの声も聞かれる。
12話はタブー扱いによるアングラ的な雰囲気もなども相まって多くのファンを魅了し続けていた。”放送禁止”や”幻の”といったワードは様々な界隈で多くの人々を魅了し、人気コンテンツとしても成り立っている。
しかしその真相が明らかになってしまえば、妙に現実味が出てきて、アングラ的な要素や魅力は薄れてしまうのがこのジャンルの運命でもある。
もちろん今後も「遊星より愛をこめて」を追い求めるファンや、表現の自由から公開を望む声は今後も多数存在してくだろう。12話の高画質の動画を投稿した人物の意図は不明だが、終戦80年の年に、多くの特撮ファンを騒然とさせた2025年最後の話題となった。

2025年は特撮変動の年ですね

映画情報サイト「Ginema-nuts(ギネマナッツ)」の編集部です。
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