ブレンダン・フレイザー、幻のスーパーマン映画主演候補を振り返る ー 「宇宙版シェイクスピアだった」

本サイトのコンテンツには、広告リンクが含まれています。

1990年代から00年代前半、DC映画の企画が迷走していた時期に、「幻のスーパーマン映画」としてたびたび名前が挙がるのが『Superman: Flyby』だ。

J・J・エイブラムス氏が脚本を執筆し、監督候補には『ラッシュアワー』や『X-MEN:ファイナル ディシジョン』のブレット・ラトナー監督が挙げられていたが、結果的に撮影まで進むことなく立ち消えになった企画である。

この『Superman: Flyby』で、クラーク・ケント/スーパーマン役の有力候補のひとりだったのがブレンダン・フレイザーだ。Happy Sad Confusedのインタビューでフレイザーは、当時この企画のスクリーンテストに参加し、実際にあの有名なスーツに着ていたことを振り返っている。

”脚本を読ませてもらえたけれど、スタジオの空きオフィスに閉じ込められて、NDA(秘密保持契約)にサインして、赤い紙に黒字で印刷された台本を渡されたんだ。コピーしたり外に持ち出せないようにね。あの脚本は本当に素晴らしかった。「宇宙版のシェイクスピア」みたいだと感じたよ。壮大でドラマチックな物語だった。間違いなく本気のオーディションだったし、自分もチャンスが来たと思っていた。あのスーツも着たし、きちんとテスト撮影もした”

『Superman: Flyby』の脚本は、クリプトンが爆発せず内戦状態にあるという設定や、ジョー=エルとその兄の対立、地球に送られたカル=エルと、敵たちとの戦いなど、従来の映画とはかなり異なる内容だったと伝えられている。

一方で、その当時の心境については不安もあったともコメントしている。

”あの頃の自分に、その重圧を本当に背負う準備ができていたのかは分からない。チャンスだし興奮もしていたけれど、「これは自分のものじゃなかったんだ」という感覚もどこかにあった”

フレイザーは、過去に一緒に仕事をしたテリー・ジョージ監督の言葉である「自分のものではない仕事なら、自然と通り過ぎていく」というアドバイスを合わせて、『Superman: Flyby』についても最終的には「自分のための作品ではなかった」と受け止めている。

『Superman: Flyby』は最終的にブライアン・シンガー監督の『スーパーマン リターンズ』へと舵が切られたことで実現しなかったとされている。もし当時この企画がそのまま進んでいれば、2000年代のスーパーマン像やDC映画の流れは大きく変わっていたかもしれない。

ちなみにブレンダン・フレイザーはその後もDC作品への出演をしており、お蔵入りとなった映画『バットガール』でヴィランのファイアフライ役を演じてていた。しかしこの作品はワーナー側からヒットの見込みが無いと判断されたことで節税のために配信も劇場公開もされることはなかった。

今後ブライアン・シンガーがまた別の役柄でDC作品にチャレンジしてくれることを期待したいところだ。

これもまた見たかったやつ

ゆとぴ

ゆとぴ

「Ginema-nuts」「トイハコ」の管理人です。アメコミ、特撮が主食の大きなお友達の一人です。

@frc_watashi_ame

ゆとぴのトイハコ

@frc_hero