『マーベル・ゾンビーズ』マルチバース・サーガの弱点を逆手に取る ー 命を軽々しくして先読み困難に

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MCUのマルチバース・サーガには「死や損失の重みが薄れる」「何でもありで緊張感が落ちる」といった批判がつきまとってきた。

この批判に対し、マーベル・テレビジョン責任者のブラッド・ウィンダーバウム氏CBRで見解を示し、同時にマルチバースの世界を舞台にしている『マーベル・ゾンビーズ』の今後にも言及した。

”マルチバースでは「どうせ別世界がある」と感じられ、リスクが薄れるという指摘は理解している。だからこそ『マーベル・ゾンビーズ』のような場では、賭け金を上げ、観客が次を読めない状況を作れるんだ”

ウィンダーバウム氏は、マルチバース・サーガが抱える問題を受け止めたうえで、アニメ領域ではその弱点を逆手に取れると説明している。ゾンビ世界線では「お約束」が外れ、主要キャラクターにも容赦がないからだ。

これまでのマルチバース作品を振り返ると、かつて死亡したキャラクターが変異体として登場したり、またはマルチバースのヒーローが軽々しく扱われる演出があり、ファンからも賛否両論を呼んでいた。

もちろん『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』や『デッドプール&ウルヴァリン』のような、マルチバース設定をうまく使ったことで大ヒットを記録した作品も存在している。

要はどのような設定も使いようということだが、『マーベル・ゾンビーズ』についてはマルチバース・サーガの「キャラクターの扱いの軽々しさ」を受け止めながらも、「次に誰が犠牲になるかわからない」という先読みができない演出へと転換しているようだ。

『マーベル・ゾンビーズ』はTV−MA指定の全4話としてDisney+ (ディズニープラス)で配信され、流血表現はもちろん、おなじみのキャラクターの退場やゾンビ化などで話題を集めた。シリーズの短さやプロモーション量には苦言もあったようだが、マーベル・スタジオとしては十分に成功した作品と評価しているようだ。

続編の可能性について、ウィンダーバウム氏とブライアン・アンドリュース監督は「計画はある」とも言及している。

もっと『ゾンビーズ』をやれる余地はある。観客が望むなら、こちらは準備ができている。”

マルチバースの「便利さ」によって緊張感が下がるという批判は依然として存在するが、スタジオ側も手を打っていないわけではない。世界観や作品のトーンに合わせながら、物語の重みを調整していく試みは今後も続いていくだろう。

良くも悪くもキャラクターを軽く扱う『マーベル・ゾンビーズ』の行方が、今後のマルチバースの扱いに道を示してくれるかもしれない。

『マーベル・ゾンビーズ』はDisney+ (ディズニープラス)で配信中だ。

やっぱり作品との相性が重要ですね

ゆとぴ

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