『サンダーボルツ*』あのキャラの演出はなぜ映画序盤だった? ー 監督「後半ではできない」

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※この記事には『サンダーボルツ*』のネタバレが含まれています。ご注意ください。

MCUシリーズの最新作『サンダーボルツ*』は、これまでの映画やドラマ作品に登場してきたヴィランやダークヒーローが集結した物語となっており、どのようなクロスオーバーが見られるのかと、多くの期待を集めていた作品だ。

しかし、本作のプロモーションでもメンバーの一人としてポスターなどに登場していたタスクマスターは、映画序盤であっけなく死亡してしまう。

映画全体の評価は高いだけに、この演出だけが多くのファンにとって腑に落ちない点となっている。

この決定の背景について、ジャック・シュライアー監督エンターテインメント・ウィークリー誌のインタビューで明かし、エレーナとボブの絆を描くためにも、映画後半では実現できなかったと語っている。

”このタイミングでやるという決断については、たくさんの異なるバージョンを検討し、非常に慎重に検討しました。オルガ・キュリレンコは素晴らしい女優ですし、彼女をチームにもっと長く残せたらとても良かったのですが、あの死が映画の後半で起こっていたら、その余韻がもっと大きく、トーンのバランスを取るのが難しくなっただろうと感じました。そうなると、感情的な要素が多すぎて、本当に私たちが築き上げるべきものを邪魔してしまうでしょう。それに、エレーナとボブの絆を描くための物語のスペースがあまりにも限られているし、映画はまさにそこにかかっています。ですから、私たちの雰囲気を保ち、チームをまとめるためには、少し冷酷に感じられるかもしれませんが、早い段階でそれをやるのが最善だと感じました

タスクマスターの死亡をどこで描くかについても慎重に検討されたとするシュライアー監督。

確かに本作ではエレーナとボブの絆に大きく焦点が当てられており、二人のトラウマの描写にも多くの時間が割かれている。その物語に集中するためにも、タスクマスターの死は序盤に設定されたという。

ただ、なぜタスクマスターを犠牲にする選択がなされたのかについては明かされていない。プロモーションで公開された一部のスチルには、映画後半にタスクマスターが登場するバージョンが存在していたことも確認されており、制作の過程で変更が加えられたと見られる。

『スーサイド・スクワッド』にも類似の演出やプロモーションが見られるが、『サンダーボルツ*』では描こうとしているテーマや全体のトーンが異なるため、タスクマスターの扱いがより違和感として浮き彫りになっているのは確かだ。

もし今後の展開に関わる意図があるのであれば、納得できる形で示されることを期待したい。

タスクマスターは『ブラック・ウィドウ』にて初登場し、相手の技術を完璧にコピーできる能力を持つ。キャプテン・アメリカの盾の投擲やホークアイの弓、ブラック・ウィドウの格闘術など、さまざまなヒーローの戦闘スタイルを再現していた。

劇中ではその正体が、レッドルームの指導者ドレイコフの娘アントニア・ドレイコフであることが明かされる。彼女は洗脳され、意志に反して暗殺任務を強いられていたという悲劇的な過去を持つ。

『サンダーボルツ*』ではその洗脳が解かれた後もヴァルの指示でスパイや暗殺を続けていた様子がうかがえるため、ヴィラン的な行動は継続していたと考えられる。

映画では少ないながらも素顔を見せ、エレーナを気にかける場面もあったことから、あまりにあっけない死に様は、報われない結末と受け取られても仕方がないだろう。

『サンダーボルツ*』は2025年5月2日より劇場公開中だ。

ゆとぴ

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