「X-MEN’97』 元脚本家、近年のハリウッド脚本を批判 ー 「平凡な物語」

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近年のハリウッドでは、大作が量産される一方で「話はぜんぶ同じ」「なんとなく流して観るだけ」という声も増えている。

そんな空気に苦言を呈したのが、アニメ『X-MEN’97』の元脚本家ボー・デメイヨ氏だ。

デメイヨ氏はXで、いまのドラマ、特に配信系作品の作り方に疑問を投げかけた。スタジオ側は「視聴者はスマホを触りながら“ながら見”をする前提で、半分だけ観ていても理解できるシンプルな物語を要求してくる」といい、その結果としてドラマ自体の密度が薄くなっているという。

”スタジオは「人々はスマホをいじりながら観ているから、半分だけ観てもわかるように話を単純にしろ」と言う。その結果、生まれるのは低い緊張感と浅いドラマ、何も心を動かさない物語だ。人々がスマホを見るのは注意力がないからではなく、ただ退屈しているからだ。いまの作品の80%は本当にひどい

特に彼が問題視しているのは、「行間のドラマを削り、とにかく分かりやすく」というスタジオ側の要求だという。そうした作品は一見するとテンポが良く、背景で流しておくには便利だが、視聴者の心に残らないのだ。

一方でデメイヨ氏は、『SHOGUN 将軍』『ブルーアイ・サムライ』『鬼滅の刃』、そして自身が関わった『X-MEN’97』のように、情報量が多く感情のレイヤーも厚い作品こそが支持されていると強調。緊張、ユーモア、恐怖やカタルシスなど、さまざまな感情を丁寧に積み重ねることで、視聴者は画面から目を離せなくなると主張している。

デメイヨ氏は『X-MEN’97』のシーズン1完成後にマーベル・スタジオから解雇されており、現在はシリーズから離れている。それでもなお、彼の発言はハリウッド全体の課題を突いていると言えるだろう。派手なVFXや有名IPに頼るだけではなく、しっかりした脚本づくりこそが、これからの作品に求められているのかもしれない。

濃密な物語がなければ観る意味もないですよね

ゆとぴ

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