ジェームズ・キャメロン、『ターミネーター』新作制作に足踏み ー 「何を書いていいかわからない」

本サイトのコンテンツには、広告リンクが含まれています。

『ターミネーター』の新作はシリーズの制作を担ってきたジェームズ・キャメロン監督によって脚本の執筆が行われているとされているが、最近CNNの番組に出演したキャメロン監督は、現実世界の進み方が速すぎて新作にふさわしいメッセージを定められず筆が止まっていると語った。

いまはSFを書くのが難しいんだ。新しい『ターミネーター』の物語を書くよう任されているが、現実の出来事に追い越されないようにしながらだと、何を書けばいいのか分からない。私たちは今、SFの時代に生きています。そこから抜け出す唯一の方法は、知性、好奇心、そしてテクノロジーを駆使すること、そして私たちが直面する厳しい可能性を真に理解することなんだ”

現実世界ではまさに『ターミネーター』の世界のように、、核やAIをめぐる議論が日々交わされており、新たな『ターミネーター』が提示すべき核心を簡単に決められないというわけだ。

近年の『ターミネーター』シリーズを振り返ると、映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』(2019年公開)は評価こそ一定の支持を得たが、興行面では伸び悩んだ。世界興収は約2億6111万ドルにとどまり、巨大IPとしては苦戦が続いたと言える。こうした背景もあり、映画シリーズは長らく足踏み状態にある。

一方で、キャメロン監督は以前からシリーズ自体の「再起動」の構想を公言してきた。従来の象徴的な要素に頼らず、AI時代の物語原理を前面に出すべきだという考えで、具体的には過去40年のアイコンを“手放す”方向性にも言及している。

”特定のアイコンから離れても、弱者が巨大な力に立ち向かうという原理は今でも有効なんだ”

次回作は「昔の栄光」をなぞるのではなく、現実のリスクとどう向き合うかを物語の核に据えられるかが鍵になるだろう。特に『ターミネーター』シリーズが掲示し続けたテーマが今まさに現実世界でも起こる可能性があるなかで、この映画がどのようなメッセージを伝えようとしているのか、注目すべき話題だと言えるだろう。

ちなみにジェームズ・キャメロン監督は『Ghost of Hiroshima』の映像化権を獲得しており、原爆をテーマとした映画の制作にも着手している。

今後『ターミネーター』の新作映画についての情報が入り次第お知らせをしていく。

現実がSFに追いつき始めてる・・・

ゆとぴ

ギネマナッツ編集部

映画情報サイト「Ginema-nuts(ギネマナッツ)」の編集部です。

@Ginema_nuts

ゆとぴのトイハコ