Netflix、ディズニー買収も検討していた ー 経営陣の方針で却下

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ハリウッドの勢力図を大きく塗り替えつつあるワーナー・ブラザース・ディスカバリー買収の裏で、Netflixが一時はディズニーの買収まで検討していたことが報じられた。

ブルームバーグの記事によれば、Netflixはワーナーの入札に動く前の段階で、ディズニー本体のほか、マーベル・スタジオや『スター・ウォーズ』のルーカスフィルム、さらにはテーマパークやクルーズ船事業を含めた巨大買収の可能性を社内で検討していたという。

現在Netflixは、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが保有する映画・テレビ部門の買収を進めており、取引総額は約827億ドルと報じられている。買収が完了すれば、Netflixはワーナー・ブラザース・ピクチャーズやHBO、DCスタジオ、さらに『ハリー・ポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』といった主要フランチャイズを手にすることになる。

一方で、なぜディズニー買収案が実現しなかったのかについても理由が伝えられている。

Netflixの共同創業者で現会長のリード・ヘイスティングス氏は、もともと巨大M&Aよりも自社でゼロから事業を築き上げる方針を好んでおり、大型買収には慎重だったとされる。また経営陣の間でも意見がまとまらず、「割高な価格でディズニー株を買収すれば、自社株価を傷つける可能性がある」として、最終的に合意には至らなかったと報じられている。

Netflixはディズニー以外にも、ゲーム企業EAの買収を検討していたという。ただしEAはその後、サウジアラビアの公的投資ファンドを含む投資家グループの支援を受けて非公開化に向けた動きを進めており、こちらもNetflixによる買収にはつながらなかった。

ワーナー買収後の劇場公開の扱いについて、Netflix共同CEOのテッド・サランドス氏は「ワーナーの映画を破壊するためにこの会社を買うわけではない」として、これまで通り劇場公開モデルを維持する意向を強調している。

ただし同氏は従来から「劇場公開期間の短縮」に前向きであり、一定期間の劇場上映のあと、早期に配信へと移行させたい考えも示してきた。劇場側にとっては、Netflixがワーナー作品をどう扱うのかが今後の大きな焦点となりそうだ。

こうした経緯を踏まえると、Netflixは当初から「巨大スタジオのどこか」を手に入れることを念頭に動いていたと見られる。結果としてディズニーではなくワーナーの買収に舵を切ったことで、配信プラットフォームと老舗スタジオの一体化という構図が現実味を帯びてきた。今後は、パラマウントによる対抗入札の動きも含め、ハリウッドの再編がどこまで進むのかが注目される。

ディズニーを買えるか検討するだけでもすごいぞ

ゆとぴ

ギネマナッツ編集部

映画情報サイト「Ginema-nuts(ギネマナッツ)」の編集部です。

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