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Netflixの勝利として決着がついたと思われるワーナー買収レースに、その対抗馬となっていたパラマウントが用意した「お金の出どころ」の問題があったことが報告されている。
報道によれば、パラマウント側の資金調達の仕組み、とくに中東の政府系ファンドへの依存が、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)取締役会の警戒を招き、最終的にNetflix案が選ばれた大きな理由のひとつになったという。
記事によると、パラマウント陣営のWBD買収案では、アラブ首長国連邦・サウジアラビア・カタールなど湾岸地域のソブリン・ウェルス・ファンドが、総額約2,400億ドルの資金を拠出する計画だった。これは、パラマウントとエリソン一族が提示した約1,080億ドル規模の「上乗せ案」の株式価値のうち、およそ3割を占める規模だとされている。
表向きには「心強いバックアップ」にも見えるが、問題はそのお金がいつ・どのような条件で実際に動くのかという保証が曖昧だった点にあったという。証券当局への提出書類や取締役会の議論に詳しい関係者の話として、WBDはその不透明さを懸念し、より単純で読みやすく、透明性の高いNetflixの約830億ドル案のほうを優先したと伝えられている。
さらにややこしいのは、パラマウントのエリソン父子の側の資金計画だ。報道では、エリソン側がWBD株式取得に必要な約400億ドルを自前資金と投資会社レッドバード・キャピタルなどでいったん立て替え、その後に政府系ファンドのマネーで自分たちを部分的に「払い戻す」形になっていたと説明されている。こうした流れが「資金源の信用度は高いが、構造が複雑すぎる」とWBD側に受け止められたようだ。
加えて、エリソン側の資金の一部はオラクル株を担保にした借り入れに頼る構造だったとも報じられている。オラクル株はこの秋、AIバブル懸念で高値から約3割下落しており、この値動きもWBD取締役会にとってはリスク要因として映ったとされる。
ワーナー買収をめぐっては、すでに米議会の一部からも懸念の声が上がっている。上院司法委員会に所属する議員が、NetflixとWBDの契約に「深刻な疑問」を示し、規制当局の審査でつまずく可能性に言及したことも報じられている。
こうした経緯を踏まえると、今回の件は単なる「資金の多いほうが勝つ」という話ではないことがわかる。買収額の大きさに加え、資金の出どころ、政治リスク、規制当局の目線といった要素が複雑に絡み合い、その中でパラマウントの中東資金依存が不利に働いたというのが敗因と言えるだろう。

複雑な資金構造は確かに警戒しかないかもね

映画情報サイト「Ginema-nuts(ギネマナッツ)」の編集部です。
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