ジェームズ・キャメロン、『エイリアン3』の冒頭に「バカだと思う」 ー 一方で監督は擁護

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『エイリアン』シリーズは長く続く一方で、作品ごとの評価が割れやすいフランチャイズでもある。

その中でも『エイリアン3』は、暗いトーンや物語の選択で賛否が強い作品として知られてきた。そんな本作について、『エイリアン2』を手がけたジェームズ・キャメロン監督が、冒頭の展開を辛辣な言葉を使って批判をした。

キャメロン監督が問題視したのは、自身が手掛けた映画でもある前作の生存者であるヒックス、ニュート、ビショップ本編開始直後に退場する点だという。前作で積み上げたキャラクターへの好感を、次の作品が最初に切り捨ててしまう構図を「理解できない」とする趣旨で、かなり強い言葉で批判した。

”前作で築いたヒックスやニュート、ビショップへの好感を、次の映画が最初に全部消してしまうのは「いちばんバカな判断だ」と思った”

ただしキャメロン監督は、矛先を同作を手掛けたデヴィッド・フィンチャー監督に向けきってはいない。『エイリアン3』はスタジオ側の干渉が大きかったとされ、この映画が初の長編作品だった当時フィンチャー監督が、多くの判断に振り回された可能性があるとして、「今回は免罪符を与える」といった趣旨で擁護もしている。

”フィンチャー氏の仕事は好きだし、彼の初長編だった。いろいろな声に振り回されていたはずだ。なのであの作品に関しては彼に寛容な気持ちでいるんです”

『エイリアン3』におけるスタジオ側の干渉についてはこれまで、企画段階から脚本が二転三転し、監督候補や脚本案が入れ替わりながら進んだ経緯が語られている。最終的な形に落ち着くまで紆余曲折があったという説明もある。

さらにフィンチャー監督自身も後年、作品が「『エイリアン3』は最初から欠陥だらけで、撮影開始のずっと前から、確かに欠陥だらけだった。というか、かなりひどい出来だった」と振り返り、撮影に入る前から状況が厳しかったことを示す発言が紹介されている。
制作費やスケジュールへの圧力が強まる中で、現場の判断が削られていった様子も語られており、結果としてフィンチャー監督が完成版から距離を置いてきた背景には、こうした制作事情があったとみられる。

一方で、主演のシガニー・ウィーバーは後年の取材で、フィンチャー氏と仕事をした経験を肯定的に振り返り、「良い映画を作ったと思う」と語っている。作品の評価が割れても、当事者たち、特にクリエイターや俳優に対する評価はある種の”同情”をはさみながらも、一定の評価がされている印象だ。

クリエイターに対しては擁護の姿勢ですね

ゆとぴ

ギネマナッツ編集部

映画情報サイト「Ginema-nuts(ギネマナッツ)」の編集部です。

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