『シークレット・インベージョン』AIオープニング批判にスタジオが声明 ー 「AIは支援ツールに過ぎない」

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ニック・フューリーとスクラル星人のタロスが主人公として展開されるマーベルのドラマ『シークレット・インベージョン』

同名人気コミックのドラマとしてマーベルファンにとっても待望の作品ではあるが、そんな今作の第1話の配信直後から、大きな批判が集まっている。

それがAIによって作られたオープニングシーンだ。

最近話題の生成系AIによって作られた今作のイメージイラストをオープニングに使用しており、トレンドにも乗った演出としても興味深いものではあるが、このシーンについて多くのクリエイターから、「仕事が奪われる」との主旨の批判が集中している。

さらには現在米国では、AIを使った脚本執筆などに反対をする全米脚本家組合のストライキが長期化しており、そういったタイミングの悪さもあって、批判に拍車がかかっている。

この状況にマーベル・スタジオの複数の作品で制作に携わってきたメソッド・スタジオは声明を発表。今回AIを使ったオープニングを採用した意図を説明している。

”人間社会へのエイリアンの潜入を探求する魅力的なドラマである『シークレット・インベージョン』に取り組むことは、特に独特のキャラクターの属性や動きを作り出すためのAI、具体的にはAIの魅力的な領域に深く踏み込む絶好の機会を提供しました。この特定の要素に生成AIツールを利用することは、プロジェクト全体のテーマと希望する美学と完全に一致していました”

つまりは人間に擬態したスクラル星人という物語において、あたかも人間のように振る舞う”AI”を重ね合わせたことが、今回のAIオープニング採用の意図だととのことだ。

そのため、今後のプロジェクトにおいて、決して生成系AIをメインにし、クリエイターを採用しないといったことではないことを弁明している。

“しかしながら、AIが最適な結果を提供したとはいえ、AIは我々のアーティストが使用するツールセットの一つにすぎないことを強調しておくことが重要です。新しいツールの導入によってアーティストの仕事が取って代わられたわけではありません。それどころか、彼らは我々のクリエイティブチームを補完し、支援しました。”
メソッド・スタジオのデザイナーチームは、既存のAI技術とカスタムAI技術の力を巧みに活用し、他の世界的でエイリアンのような外観を適用しました。専門的なアートディレクションによって導かれた全過程は、初期のストーリーボードフェーズ、イラストレーション、AI生成、2D/3Dアニメーション、そして最終的なコンポジティングステージに至るまでを包括していました。”

あくまでAIはツールの一つに過ぎないことを強調し、クリエイターたちの仕事の支援に過ぎないことをコメントしている。

この言葉がクリエイターたちにどのように受け止められるかは気になるところだが、一部ではこのオープニンがマーベル・スタジオ史上最悪の行為だとされるものも少なくない。

生成系AIを使用したクリエイティブについては、我々人間がどのように扱っていくかや、どのように共存していくべきなのかとの答えはまだ出ていない。

ただ人間にしかできないものだからこそ、人間を惹きつける魅力があることも事実だ。メソッド・スタジオの声明のように、今後AIがあくまでサポートとして使用され、全てを代替してしまうようなことがないように祈りたいばかりだ。

『シークレット・インベージョン』はDisney+ (ディズニープラス)で配信中だ。

ゆとぴ

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「Ginema-nuts」「トイハコ」の管理人です。アメコミ、特撮が主食の大きなお友達の一人です。

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